【環境に優しい小さなジープ】専用セッティングが効果的!電気なアベンジャーは自然なフィーリングが魅力

公開 : 2024.11.27 11:45

自然なフィーリング

3500kmほど走行距離を重ねた広報車だったこともあり、かなり乗り心地はこなれていた。基本的には固めだが、しっかりとサスペンションが仕事をしてショックを的確に吸収。むやみな上下動は感じられない。また、アクセルペダルの反応や、ブレーキペダルのフィーリングも素直なもので、回生ブレーキが入ってもドライバーに違和感を覚えさせない、見事な味付けといえる。

高速道路でも、街中で得た印象から大きな変化はない。敢えて書くならば左右の動きが多少気になるくらいだろう。これは低重心であるがゆえに、かえって重心点が高くなり揺れが若干増幅されていると思われる。

アベンジャーは、ジープとBEVの親和性が高いことに気付かせてくれる。
アベンジャーは、ジープとBEVの親和性が高いことに気付かせてくれる。    山本佳吾

ジープでは珍しく、シフトレバーではなくセンタークラスターにあるボタンでシフト操作する。決して使いにくいとは感じなかったが、ジープらしさとしてごついシフトレバーを採用してもよかったのではないか。コストの関係で600eとの共通化が図られているのはわかるが、この辺りはジープの個性を発揮してもらいたいと感じた。

FFではあるものの、ロードクリアランスやアプローチデパーチャーアングルは確保され、ヒルディセントコントロールも完備しているので、そこそこの悪路でも安心だ。しかもBEVなので、自然の中のキャンプ場などに行くときでも、排気ガスもなく静かにたどり着けるのはとても魅力だ。ジープとBEVはとても親和性が高いということに気付かせてくれたのが、このアベンジャーだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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