長寿の秘訣は? エンジン交換なしで走行距離160万km(100万マイル)走ったクルマ 20選

公開 : 2024.12.08 18:05

普通のクルマなら20万kmも走れば「立派」とみなされるものだが、まれに走行距離160万km(100万マイル)という偉業を達成してしまう猛者も存在する。それも、1度もエンジンを換装せずに。

あらゆる困難を乗り越えて

走行距離が20万kmを超えたクルマは、もうそれほど長くは走れないというのが一般的な認識だ。100万kmの大台を達成するクルマはごく少数だが、世界には数百万kmを走り続ける猛者もいる。

今回は、オリジナルのエンジンから載せ替えることなく、160万km(100万マイル)を走破したクルマを20台紹介する。彼らの長寿の秘訣を探ってみよう。

走行距離160万km(100万マイル)を達成したクルマを紹介する。(写真は500万km走ったアーヴ・ゴードンさんとボルボ1800S)
走行距離160万km(100万マイル)を達成したクルマを紹介する。(写真は500万km走ったアーヴ・ゴードンさんとボルボ1800S)

(翻訳者注:原文では米国のクルマを取り扱っているため距離はマイル表記ですが、本稿では読みやすさを優先し、1マイル=1.6キロメートル換算で「km」表記に直しています。必要に応じてマイルとkmを併記していますが、数値に多少の誤差があることをご承知おきください)

BMW 325i(1990年)

1990年にモービルがテスト用途で購入したこのBMW 325iは、おそらく史上最も簡単に160万km(100万マイル)を走破した1台だ。公道を1600kmほど走った後、米ニュージャージー州ポールズボロにあるモービルの研究センターに送られ、そこで4年間昼夜を問わずシャシーダイナモを走り続けたのだ。その間に停車したのは1万2000kmごとのオイル交換とメンテナンスのときのみ。

6気筒の「M20B25」エンジンは、テスト終了後の検査で素晴らしいコンディションを維持していることがわかったが、多くの一般車両に比べればそれほど過酷な環境ではなかったと言えよう。この写真はモービルから提供してもらった現在の325iの姿だ。

モービルが製品テストで使用したBMW 325i
モービルが製品テストで使用したBMW 325i    モービル

ヒョンデエラントラ(2013年)

米カンザス州オレイサに住む自動車部品配達ドライバーのファラ・ヘインズさんは、わずか5年間でエラントラを160万km走らせた。これは年間32万km、つまり毎日約880kmを走らせたことになる。

ヘインズさんはこの愛車で240万km(150万マイル)の達成を目指していたが、あるとき、地元の自動車工場に荷物を届けるよう頼まれた。その荷物が実は自分宛てだと聞かされ、中を開けると2019年モデルの新型エラントラのキーが入っていた。彼女の並外れた功績を称えてヒョンデが贈ったものだ。

ファラ・ヘインズさんとヒョンデ・エラントラ
ファラ・ヘインズさんとヒョンデ・エラントラ

ヘインズさんは2018年、長距離走行を達成する秘訣として、こう話している。「大切なのは、定期的なメンテナンスを優先し、質の高いクルマに乗ること」

ボルボ240 DL(1987年)

セルデン・クーパーさんはまず、1967年式のボルボ164 Eを40万km近く走らせた。1986年11月、164 Eを下取りに出し、信頼性の高い「B21」シリーズ・エンジンを搭載した240 DLに乗り換え、それから2012年9月まで160万kmを走破した。

その間に多くの消耗部品が交換され、ボディも再塗装されたが、整備を担当した米ペンシルベニア州メカニクスバーグのリーマン・ボルボ・カーズ社によると、エンジンにはほとんど手を加えていないという。クーパーさんは2015年6月、この240 DLを同社に寄贈した。

セルデン・クーパーさんとボルボ240 DL
セルデン・クーパーさんとボルボ240 DL

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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