長寿の秘訣は? エンジン交換なしで走行距離160万km(100万マイル)走ったクルマ 20選

公開 : 2024.12.08 18:05

レクサスLS400(1996年)

2014年12月、米国のモータージャーナリストであるマット・ファラーさんは、ある中古のレクサスLSの広告を目にした。オリジナルの4.0L V8エンジン「1UZ-FE」で144万kmを走行した個体で、そのうち110万km以上が3人目のオーナーによるものだという。これを見たファラーさんは、160万kmを達成させるという明確な目的を持ってこのLSを購入した。

友人や知人の協力を得ながら距離を重ね、2019年に6桁のデジタル走行距離計が「99万9999マイル」でフリーズしたときは、ファラーさん自らハンドルを握っていた。残る1マイルを走った後、彼は自分の仕事は終わったと考えたそうだ。

レクサスLS400(代表モデル)
レクサスLS400(代表モデル)

リンカーン・タウンカー(1983年)

仕事ではなく、単に運転が好きだからという理由で膨大な走行距離に達する人もいる。カンザス州トピカに住むチェット・ベライルさんもその1人だ。彼がリンカーン・タウンカーを購入したときの走行距離はわずか85kmだったが、30年にわたる超長距離走行の積み重ねで210万km(130万マイル)を超えた。

このタウンカーに搭載されているフォード「ウィンザー」スモールブロックV8エンジンの燃費はせいぜい9.3km/lで、一度だけリビルドが必要だったが、換装されることはなかった。

リンカーン・タウンカー(代表モデル)
リンカーン・タウンカー(代表モデル)

メルセデス・ベンツ240D(1981年)

ジョージア州の電話会社役員ポール・ハーマンさんは、2.4L 4気筒ディーゼルのメルセデス・ベンツ240Dを、2年落ちで走行距離6万4000kmの中古車として購入した。そして2007年10月に160万kmを達成。その秘訣は、5000kmごとのオイル交換だという。

それから少しペースを落とし、クラッチとセルモーターを交換した直後の2012年7月に177万km(110万マイル)を達成した。

ポール・ハーマンさんとメルセデス・ベンツ240D
ポール・ハーマンさんとメルセデス・ベンツ240D

サーブ900(1989年)

ウィスコンシン州の巡回セールスマン、ピーター・ギルバートさんが乗るサーブ900は、高性能モデルとして設計されながらも160万kmの偉業を達成するという、非常に珍しい1台だ。ターボチャージャーを搭載したSPG(スペシャル・パフォーマンス・グループ)仕様で、米国外では「エアロ」として知られている。

おそらくギルバートさんは、あまり激しい運転をしなかったのだろう(誤って鹿を数頭轢いてしまったそうだが)。2006年までに161万km(100万1385マイル)を走破し、ミルウォーキー近郊のウィスコンシン自動車博物館に寄贈、現在も展示されている。その後、サーブは彼に2007年モデルの9-5エアロを贈った。写真はウィスコンシン自動車博物館から提供してもらったものだ。

博物館で保存されているサーブ900
博物館で保存されているサーブ900    ウィスコンシン自動車博物館

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事