ついにトヨタ「新型セリカ」開発へ 副社長が復活宣言 MR2にも期待膨らむ

公開 : 2024.11.26 06:05

トヨタの中嶋副社長が公の場で「セリカをやります」と明言した。セリカ復活を公式に認めるのは今回が初めて。詳細は明らかではないが、開発はすでに始まっている可能性がある。

ラリージャパンで中嶋副社長が……!

トヨタの副社長が、先代モデルの生産終了から18年を経て「セリカ」の新型を準備中であることを認めた。

セリカという車名の復活に関する議論は何年も前から盛んに行われており、AUTOCARは昨年、トヨタの次世代電動スポーツカーの1つとして新型セリカが検討されているという情報を掴んだ。ただし、それを公式に認める幹部は誰もいなかった。

トヨタ・セリカの名は2006年に生産終了した第7世代を最後に、系譜が途絶えている。
トヨタ・セリカの名は2006年に生産終了した第7世代を最後に、系譜が途絶えている。

しかし、11月21日から24日にかけて愛知県・岐阜県で開催された「ラリージャパン2024」のトークイベントで、中嶋裕樹副社長が「セリカ、やります」と明言した。

中嶋副社長はパワートレインや導入時期などの詳細については触れず、「正直、今は影も形もない」としながらも、「ただ、社内でもセリカを待ち望む声が大きい」と述べた。

かねてから噂されていたセリカ復活を、トヨタが初めて公式に認めたことになる。

MR2」や「新型スープラ」も開発検討中?

最近では、セリカだけでなくMR2の復活も示唆するような場面があった。トヨタの自主制作アニメ『グリップ(GRIP)』のエピソードで、「スープラMk6」、「セリカMk8」、「MR2 Mk4」、「GR86 Mk3」、「GR GT3」といった、未発表のクルマの名前が書かれたホワイトボードが短時間映し出されたのだ。

グリップはトヨタのオリジナルアニメで、今年2月よりトヨタUSA(北米部門)のオフィシャルサイトやYouTubeチャンネルで配信が始まった。現時点で2シーズン全10話が公開されている(全編英語)。近未来における人間のドライバーと自動運転車との戦いを描くという内容で、GRカローラやGRスープラなどが繰り広げる激しいレースが見どころだ。

トヨタのオリジナルアニメ『グリップ(GRIP)』のワンシーン。5台の車名が書かれている。
トヨタのオリジナルアニメ『グリップ(GRIP)』のワンシーン。5台の車名が書かれている。    トヨタ

問題のホワイトボードは、シーズン2エピソード1『Who’s Next』の冒頭から48秒あたりで登場する。1秒も映らない短いカットだが、上記5台の車名がはっきりと確認できる。

ここに書かれたような新型スポーツカーはまだ正式発表されておらず、アニメ制作に携わったスタッフの遊び心かもしれないが、トヨタがガズー・レーシング(GR)シリーズのラインナップ拡大を目指している中、こうしたシーンはファンに期待をもたせるものだ。

GR設立の立役者であるトヨタの豊田章男会長も以前、セリカ、MR2、スープラの「3兄弟」を復活させる意欲を見せていた。具体的な時期はまだ明らかではないが、少なくとも新型セリカの市販化には期待が持てそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事