【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・パサート 優れた経済性と使い勝手 最大の競合相手は身内に

公開 : 2024.11.30 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

スパーブをはじめとするフォルクスワーゲングループのほかのクルマと同じく、B9型パサートはおなじみMQBエヴォプラットフォームの最新版を採用。その進歩した点は主にふたつだ。

ひとつは車内テクノロジーで、これは後ほど説明する。もうひとつは25.7kWhと大型化したハイブリッド駆動用バッテリーが、荷室への影響を最小限に抑えながら搭載できるようになったことだ。その理由は、まずバッテリーの組成が改良され、エネルギー密度が上がったこと。次に、バッテリーを後席下に、45Lの燃料タンクを荷室床下に、それぞれ積んだことだ。

エレガンスグレードには、このクラシックなマルチスポーク17インチホイールが装備される。
エレガンスグレードには、このクラシックなマルチスポーク17インチホイールが装備される。    JACK HARRISON

ドイツ本国では、ガソリンとディーゼルの幅広いラインナップを用意し、FFと4WDが選べるが、英国ではかなり仕様が限られる。エンジンは全車1.5Lの4気筒ターボで、エントリーレベルはマイルドハイブリッドのeTSI。ISGによりわずかなアシストが入るのみで、150psを発生する。

そのほかにPHEVが2車種あり、どちらも同じエンジンに、116psの電気モーターを組み込んだ6段DCTを組み合わせる。テストするのは下位仕様で、システム性能は204ps/35.7kg−m。上位仕様はエンジン出力が27psアップし、システムでは272ps/40.8kg-mだ。これにより、この2台の0−100km/h加速タイムは1秒の差がついている。

拡大されたバッテリーは、充電時間が短縮された。交流普通充電は3.6kWから11kWへ引き上げられ、40kWの直流急速充電も可能となった。

ボディサイズは、全長が先代より144mm伸びた。そのうち、ホイールベースが占める分は50mm、残りはオーバーハングだ。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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