【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・パサート 優れた経済性と使い勝手 最大の競合相手は身内に

公開 : 2024.11.30 20:25

内装 ★★★★★★★★☆☆

先代パサートは2015年の登場で、フォルクスワーゲンの現行車種とは世代が異なる。そのため、新型のインテリアはまったく違うフィロソフィに基づく。たくさんのボタンやアルミのトリムは姿を消し、大きなディスプレイや複雑なムード照明が備わった。

ありがたいことに、MIB4と呼ばれるフォルクスワーゲンのディスプレイを用いたインターフェイスの最新版はじつにうまく機能してくれる。見慣れたボタンがステアリングホイールを飾り、車内温度調整用のタッチバーは夜間用のバックライトがついた。メインのタッチ画面は、常時表示やカスタム可能なショートカットが並ぶ。運転中に頻繁に使う機能のほとんどは、1度か2度のタップで呼び出せる。

先代とは隔世の感がある、最新世代のインフォテインメントなどを採用したインテリア。ブレーキは10mm、スロットルは140mm、それぞれセンターから右へオフセットしている。
先代とは隔世の感がある、最新世代のインフォテインメントなどを採用したインテリア。ブレーキは10mm、スロットルは140mm、それぞれセンターから右へオフセットしている。    JACK HARRISON

そうは言っても、グラフィックの欠陥もいくつか目につき、テスト車のコネクティッド機能はうまく働かなかった。また、兄弟車のスパーブよりモダンでハイテク感は強いが、必ずしもより高級感があるわけではない。

エレガンス仕様のテスト車は、アップグレードされたエルゴアクティブことマッサージ機能付きコンフォートシートを装備。手動と電動が入り混じった調整機能はやや風変わりだが、快適性やサポート性はかなり高い。

後席スペースは並はずれていて、レッグルームはメルセデスEクラスを65mm上回る。荷室は、ハイブリッド用バッテリーによる妥協が明らかというほどではない。マイルドハイブリッド車の高さ調整式フロアは備わらないが、床下に充電ケーブルを収めるスペースはある。フック類も備わり、後席はレバー操作でフラットにフォールドできる。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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