【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・パサート 優れた経済性と使い勝手 最大の競合相手は身内に

公開 : 2024.11.30 20:25

走り ★★★★★★★★☆☆

テスト車のパサートに積まれたプラグインハイブリッドのパワートレインは、少し前にゴルフでも試乗している。ゴルフをテストした際は路面が濡れていたが、今回はドライコンディションのおかげで、より車体の重いパサートでも、0−97km/h加速はゴルフと同じ7.2秒だった。

パフォーマンスはなかなかだが、このパワートレインはそこに積極的ではない。1.5Lガソリンユニットは、回転を上げるとかなり苦しそうな音を出す。

エンジンはさほどパワフルではないが、電動アシストのおかげで動力性能は十分。EV走行でも、問題なく高速道路の流れに乗れる。
エンジンはさほどパワフルではないが、電動アシストのおかげで動力性能は十分。EV走行でも、問題なく高速道路の流れに乗れる。    JACK HARRISON

しかしながら、電力のブーストにより、エンジンを3000rpm以上回さなくても活発に走ることができる。そういう走り方をすると、このパサートはゆったり走れるクルマになる。スポーツモードやマニュアルモードもあるが、期待したような働きはしないので、使わなくてもいいだろう。

EVモードでは、0−97km/hが11.2秒、0−113km/hが15.2秒。とくに速いわけではないが、交通の流れに乗るには十分以上で、そこそこ慎重に走れば高速道路の制限速度をキープするのも問題はない。

ブレーキはかなり効き、ペダルでもスロットルオフでの回生でも、予測できるレスポンスを得ることができる。回生ブレーキはいく通りものセッティングが用意されていて、空走モードも含めて調整可能だ。

272ps版のティグアンに試乗した経験からすれば、われわれのおすすめは今回の204ps版だ。272ps版はちょっと速いだけで、ダイナミックさやドライビングの熱中度は変わらない。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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