【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・パサート 優れた経済性と使い勝手 最大の競合相手は身内に

公開 : 2024.11.30 20:25

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

常にいい走りが期待されるフォルクスワーゲンだが、それはパサートも例外ではない。ドライでもウェットでもグリップレベルは良好で、ボディコントロールはリラックスしているがルーズではなく、ステアリングのペースは直観的で、コーナーでの手応えは徐々に重くなる。ドライビングは特別スポーティでもファンでもないが、うれしいくらい調和がとれている。

最近のフォルクスワーゲン車がそうであるように、アダプティブダンパーのDCCは装着をおすすめしたい。テスト車はサイドウォールの厚い17インチ仕様だったが、低速時には路面の穴や波打ちをややハッキリと拾ってしまいすぎる。乗り心地は、速度が上がればスムースになるが、市街地ではアダプティブダンパーによる高級感がほしくなる。

スポーティではないが、調和の取れたハンドリング。乗り心地は、低速時にアダプティブサスペンションの助けがほしくなる。
スポーティではないが、調和の取れたハンドリング。乗り心地は、低速時にアダプティブサスペンションの助けがほしくなる。    JACK HARRISON

静粛性は、高速道路ではかなりのものだが、新たなスタンダードとなるほどではなかった。

車線内運転支援のトラベルアシストが付随するACCはパサート全車に装備される。かなり熟成されたシステムで、他車線の車両にやすやすと惑わされることはないし、減速もスムースで急ブレーキを掛けるようなものではない。

発進と停止を繰り返す渋滞では唐突な動きをすることもあるし、通常のクルーズコントロールに切り替えることはできない。レーンキープと速度超過警告は平均して上々で、オフにするのは簡単だ。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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