500万円台の高級オフローダー? 新型「JAECOO 7」 英で受注開始

公開 : 2024.11.28 18:05

奇瑞汽車傘下の「高級オフロード」ブランド、ジェイクー(JAECOO)が満を持して英国に上陸。高級志向のSUVを安価で展開する。第1弾の「7」はガソリンモデルとPHEVが用意されている。

奇瑞汽車の新ブランドが欧州上陸

新しい「高級オフロード」ブランドが英国に上陸した。第1弾となるモデルは1月に発売され、価格は2万9435ポンド(約565万円)からとなる。レンジローバー・イヴォークやキア・スポーテージなど幅広いライバル車種と競合しそうだ。

中国の大手自動車メーカー、奇瑞汽車(チェリー/Chery)が新たに立ち上げたブランド「ジェイクー(JAECOO)」は、オフロード性能に重点を置いた高級志向のSUVを専門とする。名称はドイツ語でハンターを意味する「jaeger」と英語の「cool」を組み合わせた造語で、今年英国で発売されたオモダ(OMODA)の兄弟ブランドである。

ジェイクー7(PHEVモデル)
ジェイクー7(PHEVモデル)    ジェイクー

オモダは実用性を求める都会のユーザー層をターゲットとしており、ジェイクーとは棲み分けされているが、両ブランドとも手頃な価格帯であることが重要なポイントとなる。

奇瑞汽車の英国法人トップであるビクター・チャン氏は、「ジェイクーは伝統的なオフロード車とスポーツ・ユーティリティのブランドの良いところに、最先端のテクノロジーとスタイルを融合させたものだ」と述べた。

英国向けの最初のモデルとなる「7」には、ガソリンエンジン車とPHEVが用意されている。全長は4500mmで、フォルクスワーゲンティグアンよりも若干短く、プラットフォームを共有するオモダ5よりも100mm長い。

最も安価なエントリーグレードは、最高出力147ps、最大トルク28.0kg-mの1.6L 4気筒ターボガソリンエンジンを搭載する前輪駆動モデルだ。公称燃費は16.6km/lである。

同じパワーユニットを搭載した四輪駆動モデルの価格は3万2850ポンド(約630万円)から。

PHEVは、1.5L 4気筒ターボガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせ、合計出力204ps、最大トルク31.6kg-mを発生する四輪駆動モデルとなる。

18.3kWのバッテリーを採用し、電気のみでのEV走行距離は90km。公称燃費171km/l(バッテリー残量ゼロで20km/l)を謳っており、60Lのガソリンを満タンにすれば総航続距離は1200kmとなる。

四輪駆動モデルでは7種類の走行モードを搭載し、アプローチアングル21度、デパーチャーアングル29度、ブレークオーバーアングル200mmと、本格的なオフロード性能を備えているとされる。

ボッシュが開発したブレーキシステムは、デフロックの働きを再現することができる。PHEVの価格は3万5065ポンド(約670万円)から。

ジェイクー7には欧州市場の道路状況に合わせて調整されたサスペンション設定が採用される。

奇瑞汽車の開発責任者であるピーター・マトキン氏は、「市場で最高水準を達成するために社内の品質管理を強化してきた」と話す。

力強い印象を与えるエクステリアデザインを採用しており、大型のフロントグリルや鋭いサイドラインなどが特徴である。

インテリアでは、13.8インチの縦型タッチスクリーンを標準装備し、上級グレードに14.8インチを用意する。全車にサラウンドビューカメラ、合成皮革シート、パノラマサンルーフが装備されている。

上級モデルには、8つのスピーカーを備えたソニー製オーディオシステムなどの快適・高級装備が追加される。

現在、英国でのジェイクー7の注文受け付けが始まっており、納車開始は2025年1月の予定である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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