3代目より格段スポーティ! 新型 BMW X3 20 Mスポーツへ試乗 iXに近いデザイン 硬い乗り心地

公開 : 2024.12.01 19:05

iXに近いデザインを得た、4代目X3 エンジンは先代からキャリーオーバー ワイドなモニターパネル獲得 内装の質感はややダウン スポーティな操縦性でも乗り心地は硬い 英編集部が評価

iXに近いデザインを得たX3 エンジンは継投

プレミアム・ブランドだからこそ、主力モデルが好調だからといって、あぐらをかいてはいられない。3年前、BMWは次世代といえるエクステリアとインテリアのデザインを採用した、印象的なiXを投入したが、その変化はX3にも及ぶことになった。

果たして、4代目となるG45型の印象は、従来とは大きく異なる。先代は、実用性を重視したミドルサイズの上級ファミリーSUVとして、中道といえる内容だった。BMWらしくスポーティではあったが、ブランドに定着し、成熟された雰囲気を持っていた。

BMW X3 20 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)
BMW X3 20 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

新しいX3は、見た目からイメージを一新。全長は約50mm伸び、全幅は約30mm広がり、全高は約15mm低くなった。フラットな面構成とシャープなラインが、近未来感を醸し出す。

シャシーは軽量化されつつ、剛性を向上。リアのトレッドも拡幅し、スポーティさが強く追求されている。

エンジンは、基本的に従来からのキャリーオーバー。今のところ最もパワフルなのは、直列6気筒のM50。プラグイン・ハイブリッドの30eもラインナップされる。2.0Lマイルド・ハイブリッドの、ガソリンとディーゼルも選べる。すべて四輪駆動だ。

Mスポーツ仕様を選べることも、従来どおり。車高の落ちるスポーツ・サスペンションに、19インチ・ホイール、クイックなバリアブル・スポーツステアリングを得るが、アダプティブダンパーはオプション。この辺りの技術には、目立った変化はない。

ワイドなモニターパネル 内装の質感はややダウン

インテリアは、3代目から刷新された。シートポジションは、SUVとしては高くはなく、調整域が広いことは従来どおり。しかし、ダッシュボード上には最新のワイドなモニターパネルが載っている。

インフォテインメント・システムは、バージョン9.0。センターコンソールには、ロータリーコントローラーが残されている。ショートカットメニューや、クイックセレクトと呼ばれる新機能のおかげで、一度慣れれば使い勝手は良い。

BMW X3 20 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)
BMW X3 20 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

新しい特徴が、ダッシュボードからドアパネル側まで繋がった、インタラクションバー。ドアハンドルやエアコンの送風口を取り囲むように、アンビエントライトが仕込まれ、お好みでカラーを選べる。ハザードランプを灯すと、赤く点滅もする。

ダッシュボード自体はクロスで覆われ、思わず触れたくなる見た目。センターコンソールの下部には、小物入れとスマートフォンのワイヤレス充電パッドがある。ここも、アンビエントライトで照らされる。デジタル感には事欠かない。

ただし内装の素材自体を観察すると、肌触りやソリッド感などで、3代目に及ばない部分も。4代目が得た特徴をどの程度気に入るかによって、車内の印象は変わると思う。筆者は、もう少しヒカリモノ以外の部分にコストを投じて欲しいと感じた。

リアシートの空間は、3代目とほぼ同じ。平均的な大人なら、不満は感じないだろう。荷室容量は20Lプラスの570L。売りの1つになるといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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