3代目より格段スポーティ! 新型 BMW X3 20 Mスポーツへ試乗 iXに近いデザイン 硬い乗り心地
公開 : 2024.12.01 19:05
エンジンの洗練度は大幅上昇 乗り心地は硬い
発進させてみると、徹底的な改良で、パワートレインの洗練度は大幅に上昇したことが伝わってくる。今回試乗したのは、X3 20 xドライブ Mスポーツだったが、先代より明確にスムーズ。運転体験の素晴らしさに、感銘を受けたほどだ。
スターター・ジェネレーター(ISG)が載るマイルド・ハイブリッドだから、市街地では頻繁に2.0L 4気筒エンジンは停止・始動を繰り返す。そのマナーも、至って滑らか。
高負荷時のフィーリングも秀逸で、必要なトルクを得やすい。ちなみに、従来から24psと3.0kg-m強化され、207psと33.5kg-mを発揮する。
新しいX3では1番ベーシックなエンジンでも、不満ないほどパワフル。BMWのSUVに、ピッタリだと感じられた。今回の平均燃費は12.4km/Lで、驚くほどの経済性というわけではないが。
一方、Mスポーツの乗り心地は明確に硬い。試乗車は20インチのアルミホイールに、オプションのアダプティブダンパーが組まれていたが、凹凸の目立つ区間では、細かな揺れが続き落ち着かない印象。最もソフトな状態にしても、快適とは表現しにくかった。
それと引き換えに、ファミリーSUVとしてはグリップ力が高く、姿勢制御はタイト。正確なステアリングと相まって、スポーティに操れる。とはいえBMWだとしても、このカテゴリーでどこまで共感を得られるシャシー設定なのか、疑問が残ることは否めない。
新たな強みを与えようとしたBMWの努力
スタイリングやインテリアが刷新された、4代目X3。同様に、乗り心地と操縦性にも大胆な変化が加えられた。実績のある人気モデルへ、新たな強みを与えようとしたBMWの努力は感じ取れる。
果たして、明確なスポーツ指向という方針は正しかったのか。今後の販売状況が気になるところだ。
◯:3代目と同等の実用性 このクラス屈指のダイナミックな操縦性 特徴的なデザイン
△:インフォテインメント・システムが運転の気を散らしがち 車重とボディサイズを感じる身のこなし 路面次第では安定しない乗り心地
BMW X3 20 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)のスペック
英国価格:5万175ポンド(約978万円)
全長:4755mm
全幅:1920mm
全高:1660mm
最高速度:215km/h
0-100km/h加速:7.8秒
燃費:14.3km/L
CO2排出量:158g/km
車両重量:1930kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:207ps/4400-6500rpm
最大トルク:33.5kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)