らしさが詰まった「5ドア」 ミニ・エースマン Eへ試乗 1クラス上のインテリア 強みが沢山

公開 : 2024.12.11 19:05

ボルボEX30の競合、電動クロスオーバーのエースマン登場 インテリアは1クラス上の印象 ベーシックなEでも充分以上の加速 乗り心地は落ち着かない 欲しくなる強み沢山 英編集部が評価

ミニらしさが詰まった5ドアのエースマン

電動の最新ミニが欲しい。でも、クーパーは3ドアで少し小さすぎる。一方、カントリーマンは大きくて高価すぎる。そんなワガママに応えるのが、新しいエースマンだ。

とはいえ、妥協のモデルではない。適度に小さく実用的で、市街地をキビキビ走れる。スタイリッシュな見た目で、インテリアは上質。ミニらしさが詰まった1台だ。

ミニ・エースマン SE(英国仕様)
ミニ・エースマン SE(英国仕様)

5ドアのボディを持つが、プラットフォームは最新のクーパーと同じ。バッテリーEV仕様のみで、約200mm長い4079mmの全長を持つ。

電動パワートレインも、クーパーと共有する。ベーシックなエースマン Eは、38.5kWhの駆動用バッテリーに、183psの駆動用モーターが組まれ、航続距離は297km。エースマン SEは、49.2kWhに218ps、405kmへ性能が上がる。

急速充電は、前者で最大70kW。後者は、95kWまで対応する。これは、もう少し速くてもいい。

ミニは、エースマンをコンパクト・プレミアム初のクロスオーバーだと主張するが、ハイブリッドながら、レクサスLBXが先に存在するはず。それに、プロポーションはハッチバックに近い。

ルーフレールが標準で、ホイールアーチにカバーが付き、アウトドア感は演出されている。それでも前輪駆動のみで、運転席からの視線はさほど高くない。

見た目はしっかりミニ。クリクリと大きいヘッドライトや、ユニオンジャックがモチーフのテールライトなど、特徴は多い。ホワイトからブルーへグラデーションするルーフは、オプションだが塗装仕上げだ。

インテリアはワンクラス上の印象

車内空間は、ハッチバックのクーパーより実用性で勝る。後席には、3人が並ぶのは厳しいものの、平均的な大人なら問題なく座れる。センター・アームレストはない。

荷室容量は、同クラスの平均といえる300Lで、ベビーカーを折りたたんで積める。必要なら、後席の背もたれを60:40の分割で倒せる。ちなみに、LBXは400Lある。

ミニ・エースマン SE(英国仕様)
ミニ・エースマン SE(英国仕様)

前席側は広い。背の高いドライバーでも、窮屈に感じることはないはず。シートの調整域が広く、快適な運転姿勢を取りやすい。

インテリアは、最新のミニ。真円の24インチ・タッチモニターが中央に据えられるダッシュボードは、ざっくり織られたファブリックで覆われる。これもグラデーションで色が変化し、華やかだ。運転席正面のストラップは、ちょっと凝り過ぎかも。

雰囲気は、ポップでプレミアム。このクラスでは最も品質に優れ、デザインのセンスも高いといえる。ワンクラス上の印象を与え、欲しいと思う動機付けに充分だ。

インフォテインメント・システムに、実際に押せるハードスイッチはほぼナシ。メニューボタンもない。それでもスワイプで項目を簡単に選べ、慣れれば手早く必要な操作を済ませられるはず。

運転席の正面に、メーター用モニターはない。最小限の視線移動でスピードを確認したい場合は、オプションのヘッドアップ・ディスプレイを指定するしかない。

パーソナライゼーションの幅は多彩。ジョン・クーパー・ワークス(JCW)も追加予定とのこと。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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