【意外に知らない日本メーカーの動き】広州モーターショーで登場した注目車種は? 日本勢も日産N7はじめ新型車を続々公開
公開 : 2024.12.02 17:45
日本勢で唯一のワールドプレミアは日産『N7』
今回出展した日本勢の中で唯一、新型車のワールドプレミアを行なったのが日産だ。純電動セダン『N7』は、北京モーターショー2024で発表された『エポック・コンセプト』の市販モデルとなり、ボディサイズは全長4930×全幅1895×全高1487mm、ホイールベース2915mmを誇る。
かつては月間1万8000台ほどを販売したものの、現在は5000台前後まで下落したミドルセダン『アルティマ』の後釜を担うことが期待される。
ホンダは真新しい発表はなかったものの、広州汽車との合弁『広汽ホンダ』ブースでは2025年に発売する予定の中国向け純電動SUV『イェP7』や、同じく2025年に市販モデルが投入予定の5ドアクーペ『イェGTコンセプト』を展示した。
『イェ』シリーズは『e:N』シリーズに続くホンダの新たな純電動サブブランドとなり、東風汽車との合弁『東風ホンダ』では「イェP7」の姉妹車『イェS7』も発売が間近となる。
設立30年のBYDも新型車多数発表
日本で乗用車を販売する数少ない中国メーカーのひとつ、『BYD』は今年で設立30周年を迎えた。
それを記念して今回はBYDに加え、傘下ブランド『方程豹』、『仰望』、『デンツァ(騰勢)』をすべてひとつのホールにまとめて『BYDオンリー』なホールを作り上げたことで話題を呼んだ。それだけでなく、同ホール内にはBYDが1994年の設立から歩んできた数々の歴史を振り返る企画展も用意されていた。
BYDは2024年4月の北京モーターショー2024からの間で数多くの新車種を投入したが、その中でも特に来場者がカメラを向けたのは『デンツァ』の2台であった。
デンツァは今回、シューティングブレーク『Z9 GT』のセダン『Z9』、そしてフラッグシップSUV『N9』の2台をメインステージに登らせた。
Z9とN9はどちらもPHEVとBEVを用意する。PHEVモデルは出力203hpの2L直列4気筒ターボエンジンをベースに前1基・後2基の3モーター駆動システム『e3プラットフォーム』を採用、Z9では最高出力858hp、最大トルク1035Nmという怪物級のスペックを誇る。
BEVモデルでも同じ『e3プラットフォーム』を採用しており、こちらはPHEVよりもさらに出力を高めた952hpという仕様だ。
BYDブランド初の電動ミニバン「夏」日本登場のウワサも?
一方、BYDの本家ラインナップは2024年8月に発表された『夏』が今回の目玉となった。
BYDの電動ミニバンというと、2023年に開催されたJAPAN MOBILITY SHOWのBYDブースで展示された『デンツァD9』が有名だが、BYD自体の電動ミニバンはこの夏が初となる。
夏は威圧感のあるフロントマスクにDピラー付近のシルバー加飾、5メートル超ボディと数々の共通点を持つ。だが、実際にはD9が全長5250mm(ホイールベース3110mm)なのに対し、夏は5145mm(3045mm)と少し小さい。また、D9はBEVとPHEV両方を用意するが、夏は現時点でPHEVのみとなり、プラットフォームも2024年に投入されたばかりの『DM 5.0プラットフォーム』を採用する。
日本市場においてBYDは現時点でBEVのみを展開するものの、数々の場でPHEVの導入も匂わせている。JAPAN MOBILITY SHOWでのD9出展や、PHEVの大型ミニバンが日本では少ないことを鑑みると、夏の日本導入は期待できるかもしれない。
今年の広州モーターショーは中国メーカーによる新型車の発表が相次いでなされたのに対し、ドイツやアメリカ、日本といった外資系メーカーは比較的おとなしい印象を受けた。
BEV市場は停滞期に入っているとも言われるが、2025年は日本メーカーが投入を予告してきた数々の中国専売EV(含PHEV・BEV)が実際に形となって現れることを期待したい。