【伝説のイタリア車ミーティングが復活】スタンゲリーニが7台!5年ぶりにバルケッタたちが中伊豆に集結

公開 : 2024.12.04 11:45

11月16~17日に中伊豆ワイナリーシャトーT.Sを会場に、『第9回Club della Barchetta』が開催されました。クルマ好きの間で伝説とまで言われたミーティングが5年ぶりに復活です。高桑秀典がレポートします。

クルマ好きの間で伝説のミーティングと呼ばれる

中伊豆ワイナリーシャトーT.Sを会場として、去る11月16~17日に『第9回Club della Barchetta』が開催された。参加者の安全を優先しコロナ禍は休止していたので、今回が5年ぶりのバルケッタ・ミーティングとなった。

参加車両は、1960年までに生産されたバルケッタ、戦前のオープン2シータースポーツおよび実行委員会の承認を得たクルマということで、街中で見かける機会が皆無だといえる稀少な名車たちが中伊豆に集結。ジャウル・タラスキやリー・フランシスといった日本では聞き慣れないレア車も参加した。

今回は深遠なる歴史と情熱を誇る、アウトモビリ・スタンゲリーニをフィーチャー。
今回は深遠なる歴史と情熱を誇る、アウトモビリ・スタンゲリーニをフィーチャー。    高桑秀典

イタリアの小排気量スポーツレーシングカー愛好家の集いとして『Club della Barchetta』が発足したのは2004年のことで、イベントの初年度となったこの年は24台のバルケッタが参加。山中湖周辺のワインディングロードを駆け抜け、夕刻から須走のオーベルジュ・ブランシュ富士で晩餐会を催し、好評を博した。

翌年からイタリアのASSI Clubがバッサーノ・デル・グラッパで主催していたLe Mitiche Sport a Bassanoの姉妹イベントとなると共に、戦前のオープン2シーターを仲間に加えて5回連続で開催。9年間の充電後2017年に復活し、2019年に第8回を実施。コロナ禍の休止中にクルマ好きの間で『伝説のバルケッタ・ミーティング』と呼ばれ、再開を望む声がたくさんあった。

ヴィットリオ・スタンゲリーニの孫娘であるフランチェスカさんが参加

第9回 Club della Barchettaのトピックは、なんといってもエンジンの魔術師とまで呼ばれたヴィットリオ・スタンゲリーニの孫娘である、フランチェスカさんが参加したことだ。

2度目の来日をイベント開催日と合わせてくれたことにより、今回はスタンゲリーニがフィーチャーされ、FJ、750S、1100S、アラドーロといった多様なモデルが7台も集まった。

ヴィットリオ・スタンゲリーニの孫娘であるフランチェスカさん(左)が友人と参加。
ヴィットリオ・スタンゲリーニの孫娘であるフランチェスカさん(左)が友人と参加。
    高桑秀典

主催者である福田泰仁さんによると日本には17台のスタンゲリーニが棲息しており、10台は確実に集まると思っていたのに7台のみになってしまった……とのことだが、取材する側にしてみればイベント会場に1台いるだけでも大騒ぎになるスタンゲリーニが7台も来ていたので心底驚いてしまった。

イタリア・モデナの名門ブランドであるスタンゲリーニは、その伝統と情熱をいまに伝えるムゼオを構えており、5代目でレーシング・スピリットをしっかり受け継ぐフランチェスカさんが主宰者となっている。

なおフランチェスカさんの昔からの友人であるフランチェスコ・デ・ピエトリさんも一緒に来日。彼はバルサミコ酢農場の4代目で、参加者へのプレゼントとしてモデナ名産のバルサミコ酢を持参してくれた。

スタンゲリーニ家の格式を守り続けるフランチェスカさんとの出会いは参加者にとって非常に貴重な機会となり、その栄光の歴史に触れることができたのである。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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