ヒョンデ・アイオニック9 試作車へ試乗 ブランドを加勢する7シーターSUV 高い説得力を獲得?
公開 : 2024.12.03 19:05
新フラッグシップ、大型SUVのアイオニック9が完成間近 驚くほど広い車内 ツインモーターは総合435ps カーブで物理の法則を実感 サイズの割に扱いやすい 英編集部が試作車を味見
もくじ
ーアイオニック・シリーズの新型SUV
ー驚くほど広い車内 システム総合435ps
ーカーブで物理の法則を実感 サイズの割に扱いやすい
ー説得力の高いモデルに仕上がる可能性
ーヒョンデ・アイオニック9(プロトタイプ)のスペック
アイオニック・シリーズの新型SUV
アメリカ西部、カリフォルニア州モハーベ砂漠の一角に、ヒョンデのテストコースがある。だだっ広い平原に、見渡す限りの青空。気温は40度超え。施設の食堂では、食べきれないサイズのタコスが出てきた。
高速オーバルコースの大きさは、ロサンゼルス国際空港の面積に匹敵するらしい。韓国ではありえないような、過酷な気候条件にも新しいクルマが耐えられるかどうか、技術者は開発に打ち込んでいる。
この場所で最終試験に挑んでいるのが、アイオニック・シリーズの新しいフラッグシップとなる電動SUV。車重は2.7tほどあり、最高出力は高性能なツインモーターで400馬力以上に達する。航続距離は、仕様次第で640km程度が見込まれる。
基礎骨格とするプラットフォームは、ヒョンデのE-GMP。キアEV9と、技術の多くを共有する。駆動用モーターは、1基か2基。フロアに敷かれる駆動用バッテリーは、110.3kWhもの大容量。2025年に、英国での販売が始まるそうだ。
英国価格は、6万5000ポンド(約1268万円)から8万ポンド(約1560万円)の間。サイズ的に近いボルボEX90と比べると、3万5000ポンド(約683万円)前後安い。
試作車ということで、ボディはカモフラージュされていた。スタイリングの詳細は、写真をご覧頂こう。巨大なことは間違いない。
驚くほど広い車内 システム総合435ps
インテリアも隠されていたが、リアに向けてボディが絞られているため、空間が最優先されたわけではないようだ。それでも、テールゲートには巨大なウインドウがはめられ、明るく開放的な雰囲気だと感じた。
3列目でも、乗員空間は広々。荷室も驚くほど広い。テキスタイルには高級感があり、しっかりしていそう。2列目のシートは、オプションで回転可能になる。運転姿勢は起き気味。ドライバーを中心とした、ダッシュボードのデザインのようだ。
あいにく、タッチモニターやハードスイッチに触れることはできなかったが、アイオニック5の印象へ近いはず。少なくともグラフィックは美しく、インターフェイスは理解しやすく、視覚的に親しみやすい。運転支援システムは、簡単にオフにできる。
試乗させていただいたのは、最上位に当たるアイオニック9 パフォーマンスAWD。ツインモーターで、システム総合435psの最高出力を発揮する。その加速力は、遥かに軽いホットハッチ並みに鋭い。電費は、4.5km/kWhとのこと。
全開でも、気分が悪くなるほどのダッシュ力ではない。予測通り清々しく速度が増し、加速具合も制御しやすい。