ポルシェが目指す「本物」の電動スポーツカー 新型 “718 EV” で見るべきところ

公開 : 2024.12.03 18:05

ハンドリングに寄与するプラットフォーム設計

718のEVモデルには統合回生ブレーキ・システムが搭載される予定だが、フォーミュラEと同様に、効率を最適化するためにエネルギー回収に重点が置かれる。これによりバッテリーを小型化できるようになり、パッケージングの改善とコスト削減、そして最重要課題である軽量化につながる。

これはバッテリーをシートの後ろに搭載するプラットフォームの設計思想と一致している。シュタイナー氏は、「重心を可能な限りドライバーの近くに置くことで、非常に柔軟かつ俊敏になる。非常にバランスが良く、クルマを本当にうまく操れるようになる」と言う。

ポルシェ718ケイマンGT4
ポルシェ718ケイマンGT4

「路面に近い位置に座るので、バッテリーの上に座るようなプラットフォームよりも大きな利点がある。まさに本物のスポーツカーの感覚だ」

シュタイナー氏は、ボクスターEVのプロトタイプを運転したことがあるが、2つの理由で「本当に素晴らしい」という。

1つ目は、「クルマの重心に近く、ハンドリングが素晴らしい」こと。

2つ目は、電動オープンカーを運転する体験だ。「屋根を開けて静かに走る。無音というわけではないが、エンジン音は聞こえない。風景の中を走り、あらゆる音や匂いを感じながら走るのは新しい体験だ。EVの運転体験に、屋根を開けて走るという体験が加わる」

ガソリンエンジンのボクスターとEVとの違いに対して問われると、シュタイナー氏は次のように答えた。

「内燃機関に搭載できる最高のテクノロジーをもってしても、EVの方が速く走ることができる。大きな欠点は重量だが、これもかなり制御できるようになった。重量に関しては、4ドア車のパッケージよりもはるかに優れている」

「このクルマは、非常にシャープなステアリングと優れたブレーキ性能を備えており、お待ちいただく価値はあるだろう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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