【ともに前年実績割れ】2024年11月期の新車販売台数 搭載が義務化されるアイテムの影響も?
公開 : 2024.12.03 06:25
2024年11月期の新車販売台数(速報値)が発表されました。登録車と軽自動車ともに前年実績割れ、新型コロナウイルス感染拡大前の40万台レベルを再度下回る状況となり、メーカーが期待するよりも消費回復に力強さが見られません。
2024年11月期の新車販売台数(速報値)
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は、2024年11月期の新車販売台数(速報値)を発表した。
日本自動車販売協会連合会がまとめた登録車の11月期の新車販売台数は、前年同月比2.0%減の24万9842台と3カ月ぶりのマイナス。一方、全国軽自動車協会連合会がまとめた11月期の軽自動車の新車販売台数も、同10.5%減の13万9687台と4カ月連続でのマイナスとなる。
結果として、トータルでの11月期の国内新車販売台数は同5.2%減の38万9529台と3カ月ぶりに前年実績を下回った。
登録車の11月期ブランド別新車販売台数
前年実績を上回ったのは、日産自動車(前年同月比3.3%増の2万3879台)、スズキ(同30.9%増の1万1908台)、三菱自動車(同62.2%増の5242台)の3ブランドのみ。
対して、トヨタ自動車は同5.9%減の12万2639台、ホンダは同3.8%減の2万8606台、マツダは同7.1%減の9814台、スバルは同14.4%減の7925台、レクサスは同7.9%減の6342台、ダイハツは同25.1%減の1488台とマイナスに落ち込んだ。
一方で貨物車のブランドは、いすゞ自動車が同42.0%増の6138台、日野自動車が34.8%増の3554台、UDトラックスが同38.6%増の1062台と前年実績超えを達成したものの、三菱ふそうは同1.7%減の2970台と低迷した。
軽自動車の11月期ブランド別新車販売台数
前年同月比で5.3%増の4万8726台を成し遂げたスズキが11カ月連続でのシェアトップに輝く。
最大のライバルであるダイハツは、全車種の生産・出荷を再開したものの同26.2%減の3万9135台と鈍化した。また、新車効果が薄らいだホンダは同11.3%減の2万5315台、日産自動車は同8.8%減の1万4268台と低調に推移。
対して三菱自動車は、同3.1%増の6234台とプラスを維持する。一方、OEM供給を受けるブランドではマツダが同12.0%増の3008台、スバルが同26.0%増の1511台と前年実績超えを果たしたものの、トヨタ自動車は同42.8%減の1470台と苦戦した。
業界団体の関係者の解説
11月期の新車販売の動きについて業界団体の関係者は、「トヨタやダイハツが認証試験不正で一時生産を停止していた車種の生産を再開し、合わせて人気車の受注残の改善を図っていることから、11月期の新車販売はプラスを継続すると思われたが、実際は登録車と軽自動車ともに前年実績割れ、しかも新型コロナウイルス感染拡大前の40万台レベルを再度下回ってしまった。
リバウンド消費が完全に一巡したこと、そして物価高が賃金上昇を上回って消費者の節約志向が高まっていることなどが、新車販売に影響を与えた模様。11月から新型車と同様に既存モデルの新車にもバックカメラやバックセンサーの搭載が義務化され、一部車種で対応が遅れている点も、新車販売の伸びの鈍化につながったようである」と解説する。
今後に関しては、「新車の需要は新型車を中心に底堅く、また内閣府は個人消費が回復基調にあると発表していることから、新車販売は年末と年初かけて再起する可能性もある。ただし、物価高が賃金上昇を上回る状況は続いており、メーカーが期待するよりも消費回復に力強さが見られないことから、新車販売は予断を許さない情勢が続く」と指摘した。