さらば「V10」エンジン ランボルギーニ・ウラカン UK中古車ガイド 後継はV8で値上がり必至?

公開 : 2024.12.18 19:05

ドラマチックなNA V10エンジンを積んだウラカン 次期テメラリオはV8ターボで値上がり必至? 究極仕様は640psで軽量なペルフォマンテ 英編集部が中古車で魅力を再確認

ドラマチックなV10エンジンを積んだウラカン

ランボルギーニガヤルドの後継として、2014年に投入されたウラカン。V型10気筒エンジンを搭載し、エキサイティングなパワーとシンフォニックなサウンドで、称賛を集めてきた。

次期モデルのテメラリオには、V型8気筒ツインターボが載る。ウラカンの価値は今後上昇する可能性が高い。もし余裕があるなら、今こそ決断のタイミングといえる。

ランボルギーニ・ウラカン LP640-4 ペルフォルマンテ(2017〜2019年/英国仕様)
ランボルギーニ・ウラカン LP640-4 ペルフォルマンテ(2017〜2019年/英国仕様)

このV10エンジンは、初代アウディR8に積まれた5.2Lユニットの改良版。だが、ヘッドと排気系に大幅な手が加えられ、血統にふさわしい傑作へ仕上がっている。

当時のフェラーリ488やマクラーレン650 Sへ対抗するため、自然吸気ながら610psの最高出力を捻出。0-100km/h加速を3.2秒でこなし、最高速度は320km/hを超える。

シザーズドアを持ち上げ、レーシングカーそのままなバケットシートへ座るプロセスだけでも、1つのイベント。戦闘機にあるようなボタンを押すと、エンジンは咆哮とともに目覚める。

エグゾーストノートは、8250rpmのレッドラインめがけて音域を高め、刺激的に変化。許される環境で没入すれば、2000年代半ばのF1マシンとイメージは重なる。

インテリアは、カーボンファイバーとアルカンターラが多用され、ガヤルドより上質。アルミニウム製の巨大なシフトパドルも、ドライバーの気持ちをそそる。12.3インチのメーター用モニターは、現代的な装備といえる。

ボディは多彩な色を選べたが、艶消しには注意が必要。維持管理は簡単ではない。

ウラカンの究極仕様はペルフォマンテ

ガヤルドからの技術的進化は数多いが、その筆頭といえるのがトランスミッション。やや変速の遅い6速セミATから、素早い7速デュアルクラッチATへ刷新されている。

電動機械式パワーステアリングにカーボンセラミック・ブレーキ、磁性流体ダンパーは標準。四輪駆動システムと相乗し、前世代を凌駕する操縦性と乗り心地を叶えている。ただし、アンダーステアと積極的な電子制御の介入は、走りの妨げになることも。

ランボルギーニ・ウラカン LP640-4 ペルフォルマンテ(2017〜2019年/英国仕様)
ランボルギーニ・ウラカン LP640-4 ペルフォルマンテ(2017〜2019年/英国仕様)

暴れ牛のようなテールスライドに興じたいなら、後輪駆動のウラカン LP580-2が望ましい。最高出力は30ps低くなるものの、フロントのドライブシャフトが省かれ、軽く機敏。思い切り興奮へ浸れる。

シャシーとパワートレインの一層の進化を求めたのが、ウラカン・ペルフォマンテ。640psへのパワーアップと1382kgへのダイエットを果たし、サスペンションとシャシーが再チューニングされ、アクティブエアロも獲得している。

ウラカンの究極仕様といえるのが、このペルフォマンテ。英国の中古車価格は強気で、17万ポンド(約3315万円)程度は準備が必要になる。

2024年でも、猛烈にエキサイティングなスーパーカー、ウラカン。安価な例では、11万ポンド(約2145万円)程度から探せる。ランボルギーニの中でも、コストパフォーマンスは最高といっていい。

V10エンジンは、今後入手困難。悲しい現実だが、未来の価値という面では、所有者を喜ばせる事実でもあるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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