ジャガーが予想外の進化 新型EV「タイプ00」初公開、量産版は2026年発売か
公開 : 2024.12.03 18:25
英国のジャガーが2026年より投入する次世代EVのコンセプトカー「タイプ00」を公開した。これまでとまったく異なる方向性を打ち出しており、ブランドはさらに高級志向を強めるという。
もくじ
新時代の到来を告げるコンセプト
ジャガーは12月2日、米国で開催されたイベント「マイアミ・アート・ウィーク」において、新型のEVコンセプトカー「タイプ00(Type 00)」を発表した。
90年の歴史を持つ英国の自動車ブランドが、まったく新しいデザインアプローチを披露し、2026年より投入する次世代EVシリーズの方向性を示した。
同社によると、このコンセプトカーのサイズ、プロポーション、スタイリングは、11月にテスト走行の様子が公開された4ドアGTのプロトタイプに「非常に近い」という。
新シリーズ
この4ドアGTは「JEA」と呼ばれる新設計のプラットフォームを採用する3車種のうち、約1年以内に発売される最初のモデルとなる。ジャガーの推定では、JEAプラットフォームは航続距離430マイル(約690km)を実現し、15分間の充電で200マイル(約320km)を走行できる能力を備えている。これはおそらく、約100kWhのバッテリーを搭載した仕様のデータだろう。
今回発表されたタイプ00コンセプトは、13台もの実物大モデルを製作するという徹底的なプロセスを経て生み出されたものだ。そのデザインから、最初の量産モデルは、傾斜したルーフ、ロングホイールベース、独特な長さのボンネットなど、昔ながらのジャガーの流儀を受け継ぐことが示唆されている。
インテリア
インテリアは、美しいクリーム色の2人乗りコンパートメントで、レザーではなくモダンで持続可能なテキスタイルを使用している。ステッチが目立たないように作られた、エレガントなバケットシートが2つ備わり、センターコンソールには本物のストーンパネルが貼られ、中央を真鍮の “背骨” が走っている。
コントロール類や計器類は最小限だ。ドアの開閉レバーはルーフコンソールに設置されている。見た目の美しさだけでなく、ギミック的な機能もある。エクステリアとは異なり、2026年の量産モデルにタイプ00のインテリアがどれほど影響を与えるかは、まだ明らかになっていない。
低い車高により、前面投影面積を比較的小さく抑え、優れた空力性能を発揮することが期待されている。
方向性
デザイン責任者のジェリー・マクガバン氏は、10年前のジャガーの製品目標では、このような大胆なアプローチは許されなかったと指摘している。
「当時、会社はまったく異なる考えを持っており、まったく異なる競合他社をターゲットとしていた」(同氏)
これまでのターゲットはBMWやアウディが持つ販売シェアだった。新しいラインナップは、その領域からさらなる高級路線にシフトする。確かにリスクはあるが、今後どうなっていくのか、非常に楽しみだ。