「ミツビシ愛」は冷めてない! ランサー/ギャランの英国上陸から半世紀(1) 品質と技術の高評価
公開 : 2024.12.22 17:45
三菱の英国上陸50周年を記念したファンミーティング 品質と技術で定評を短期間に確立 市場から撤退もミツビシ愛は冷めてない 魅力の幅を実感する参加車の一部を、英編集部がご紹介
もくじ
ー英国上陸から50年 製造品質と技術力で高い評価
ー2021年に英国市場から撤退 ミツビシ愛は冷めない
ー三菱の魅力の幅を改めて実感する参加車両
ー三菱ランサー EX2000ターボ(1981年式/英国仕様)
ー三菱ギャラン(8代目/1997年式/英国仕様)
ー三菱コルディア・ターボ(1983年式/英国仕様)
英国上陸から50年 製造品質と技術力で高い評価
半世紀前の1974年、英国人は日本のブランド、三菱と正式に出会った。当初は、BMWの輸入代理店から分離して誕生した、コルト・カー社という名で英国部門がスタート。ランサーとギャランの2台体制で、提供が始まった。
多くの新参メーカーと同じく、市場の関心を掴むため、販売価格は低めに設定された。だが、優れた製造品質が評価され、短期間に高い評価を掴んでいった。数年先の目標販売数は年間1万台だったが、あっさり達成している。
その頃、技術的な強みといえたのが「サイレントシャフト」エンジン。英国人技術者、フレデリック・ランチェスター氏が開発した、バランサーシャフトの特許を三菱は取得しており、驚くほど滑らかな回転を実現していた。
1980年代には、ランサー・セレステとサッポロ (ギャラン)・クーペが英国へ上陸。コンパクト・ハッチバックのコルト(ミラージュ)も、市場の支持を集めた。1984年にブランド名を変更。日本と同じく、三菱と呼ばれるようになる。
これと前後し、三菱はターボチャージャーを積極的に採用。フルラインターボという、戦略を掲げていた。駆動系も優秀で、高い技術力を持つ自動車メーカーとして、明確なアイデンティティを醸成していった。
2021年に英国市場から撤退 ミツビシ愛は冷めない
触れるべきユニットの1つが、スーパーシフト。4速MTにオーバードライブを組み合わせたもので、実質的に8速MTとして機能した。これは、1970年代後半から前輪駆動モデルに採用されている。
1983年には、四輪駆動のオフローダー、ショーグン(パジェロ)が上陸。堅牢性や信頼性、走破性の高さから、郊外に住む人を中心に多くの支持を集めている。
同年には、ラリードライバーのアンドリュー・コーワン氏が三菱のワークスチームへ参画。1989年には、ラリーアート・ヨーロッパ・チームによって投入されたギャランVR-4が、世界ラリー選手権のフィンランド選とイギリス選で優勝を果たした。
総合優勝を奪ったのは、1998年のランサー・エボリューションV。スバル・インプレッサとの熾烈な競争に、熱くなったという読者は少なくないはず。
「ランエボ」は、24年間にX ファイナルエディションまで10度も進化。ブランドを代表するモデルへ成長したことは、ご存知の通り。
三菱車を目撃するのは日常的なことだが、実は2021年に英国市場から撤退している。販売数が減少し、法規制へ対応する負担が増大したことが、その理由だった。復活の噂はくすぶっているが、実現するだろうか。
とはいえ特徴の濃いモデルが多かったこともあり、英国人のミツビシ愛は冷めていない。グレートブリテン島上陸50周年を記念し、2024年9月末にファンミーティングが開催された。中西部の、グロスターシャー州バドミントンパークを会場に。