「ミツビシ愛」は冷めてない! ランサー/ギャランの英国上陸から半世紀(1) 品質と技術の高評価

公開 : 2024.12.22 17:45

三菱の魅力の幅を改めて実感する参加車両

参加車両は多彩。安価で高耐久なハッチバックから、堅牢なオフローダー、ラリーやモータースポーツで活躍したアイコンまで、魅力の幅を改めて実感できる顔ぶればかり。熱狂的なファンたちは、英国へ与えた影響が消えないことを願っている。

コルト・カー社を創業したデイビッド・ブラックバーン氏の息子、スティーブン・ブラックバーン氏は、コルト・カー・クラブの設立をこのミーティングで宣言。彼らの熱い気持ちへ応える形で、イベントは締めくくられた。

英国で開催された、三菱上陸50周年記念ファンミーティングの様子
英国で開催された、三菱上陸50周年記念ファンミーティングの様子

今回は、その参加車両の一部をご紹介させていただきたい。自分も同じ三菱に乗っていた、あるいは今も乗っている、という読者はいらっしゃるはず。

三菱ランサー EX2000ターボ(1981年式/英国仕様)

オーナー:ポール・シモンズ氏

ランサー・ターボは、英国で販売された初のターボモデルではない。しかし、170psのターボエンジンを搭載した4ドアサルーンが、お手頃な8000ポンド程度で購入できたという事実は、1980年代には革命的なものだった。

三菱ランサー EX2000ターボ(1981年式/英国仕様) オーナー:ポール・シモンズ氏
三菱ランサー EX2000ターボ(1981年式/英国仕様) オーナー:ポール・シモンズ氏

その後、1990年代から2000年代にかけて、ランサーはエボリューションを重ねていった。伝説の原点にあるモデルといっていい。

シモンズは、当時3年落ちだったランサーを1984年に購入。ボートを牽引でき、スキューバダイビングの道具を積める、パワフルな1台を探していたのだとか。しかし海岸へ降りることを繰り返し、数年前までは傷んだ状態にあったという。

そこで彼は、レストアを決意した。新しいコイルオーバー・サスペンションへ交換し、ランサー・エボリューションIのフロントシートとBMWの電動ドアミラーを装備。多方面から部品を集めつつ、改造を加えながら楽しんでいる。

「小さすぎず、ちょうどいいサイズだと思います。地元でのお買い物にも活躍しています。当時から目立つクルマではありませんでしたが、アクセルペダルを踏むと、本当に気持ち良く走るんですよ」。シモンズが笑顔で答えた。

三菱ギャラン(8代目/1997年式/英国仕様)

オーナー:ライアン・ハッチンソン氏

チューニングが簡単で、パワーアップの余地が高いターボエンジンを積んだ三菱車は、1990年代からチューニング文化の一角をなしてきた。これは20歳のハッチンソンが生まれる前の話だが、ギャランの写真を見てビビッと来たらしい。自身の1台を入手した。

三菱ギャラン(8代目/1997年式/英国仕様) オーナー:ライアン・ハッチンソン氏
三菱ギャラン(8代目/1997年式/英国仕様) オーナー:ライアン・ハッチンソン氏

この8代目ギャランは、欧州へ導入された最終世代。これはベーシックな前輪駆動だが、VR-4用の四輪駆動システムと、ランエボのターボエンジンを組み込む計画を進めているそうだ。

ハッチンソンにとって初の三菱車で、自分のクルマとしては3台目だというが、自宅で改造するつもりだという。「ノーマルの状態でも、とても注目を集めることには驚きました」。と話していた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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