スタリオンにショーグン ランエボまで 50周年イベントに集結 ランサー/ギャランの英国上陸から半世紀(2)

公開 : 2024.12.22 17:46

三菱の英国上陸50周年を記念したファンミーティング 品質と技術で定評を短期間に確立 市場から撤退もミツビシ愛は冷めてない 魅力の幅を実感する参加車の一部を、英編集部がご紹介

三菱スタリオン・ターボ EX(1987年式/英国仕様)

オーナー:アシュリー・ウェンサック氏

「子供の頃に、父が持っていたんです。ディーラーで試乗し、とても速いと驚いていた様子は今でも忘れません。大きくなったら、自分も1台買おうと考えていました」。ウェンサックが、ほほえみながら説明する。

三菱スタリオン・ターボ EX(1987年式/英国仕様) オーナー:アシュリー・ウェンサック氏
三菱スタリオン・ターボ EX(1987年式/英国仕様) オーナー:アシュリー・ウェンサック氏

任意保険の金額が高く、念願のクルマを購入したのは25歳を過ぎてから。それ以来、一途な気持ちはブレることなく、ソフィア・ホワイトのこれは8台目のスタリオンだとか。

モデル後期の年式だが、排気ガス規制へ対応するため、2.0L 4気筒から2.6L 4気筒へ交換される直前のスタリオン。ランサー・ターボのターボ付き4G63ユニットが、ギャランのシャシーを流用したクーペボディに搭載されている。

英国での販売が始まったのは、1982年。日本からの輸入車では、その頃は最速だった。

「スタリオンには、1980年代の雰囲気が漂っています。リトラクタブル・ヘッドライトにスクエアなスタイリング、近未来的なダッシュボードやメーターパネルのデザインなど、すべてが魅力的。自分には、これがしっくり来るんですよ」

三菱ショーグン 2.6(パジェロ/1990年式/英国仕様)

オーナー:アリスター・スコット氏

三菱のディーラーを営んでいたスコットは、思いがけない下取りで、初代ショーグンを愛車にすることができた。「偶然でしたね。2000年に、1966年式のMGBと一緒に手放す人がいたんです」。と当時を振り返る。

三菱ショーグン 2.6(パジェロ/1990年式/英国仕様) オーナー:アリスター・スコット氏
三菱ショーグン 2.6(パジェロ/1990年式/英国仕様) オーナー:アリスター・スコット氏

「なんてことだ。お宝がやってきた、と思いましたよ。もちろん、わたしたちは保存することに決めました」

グレートブリテン島でショーグンの販売が始まったのは、1983年。この土地では、ブランド成功の立役者的存在だった。当時の英国では、日本車の輸入を制限する「紳士協定」が存在したが、高価格・高利益のモデルとして、三菱は積極的に販売した。

同時期のランドローバーレンジローバーより安価で、ディフェンダーより上質。信頼性も遥かに高く、ライバルと呼べるモデルはほぼなかった。

酷使されがちなオフローダーの割に、このショーグンは驚くほど状態が良く、レストアする必要はなかったとのこと。20年以上前に買い取った時のまま、丁寧に維持しているだけらしい。

「これで、(グレートブリテン島西端の)ランズエンドや(北端の)ジョン・オグローツまで旅しました。スコットランドの(ドライブルート、)ノースコースト500は、2回も巡っています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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