「電動の後輪駆動」で一新 アウディA6 e-トロン・アバントへ試乗 380psに703km! 突出の洗練度

公開 : 2024.12.04 19:05

アウディA6が電動の後輪駆動になって一新 基礎骨格はマカン・エレクトリックと共通 驚くほどクリアなグラフィック 突出した走りの洗練度 ダイレクトなステアリング 英編集部が評価

基礎骨格はマカン・エレクトリックと共通

アウディのステーションワゴンが、バッテリーEVの後輪駆動になって生まれ変わった。最高出力は、ベーシックな仕様でも326psある。そう、まったく新しいA6 e-トロンが誕生した。

基礎骨格とするのは、Q6 e-トロンやポルシェ・マカン・エレクトリックなども採用する、PPE EVという名のプラットフォーム。ボディスタイルは、ステーションワゴンのアバントと、ファストバックのスポーツバックが設定される。

アウディA6 e-トロン・アバント・パフォーマンス Sライン(欧州仕様)
アウディA6 e-トロン・アバント・パフォーマンス Sライン(欧州仕様)

電圧800Vの電動パワートレイン・システムは共通となり、エントリーグレードの駆動用バッテリーは75.8kWhで、急速充電能力は最高225kW。航続距離は、短くなるアバントでも580kmと不足はない。スポーツバックは616kmだ。

A6 e-トロン・パフォーマンスは、380psへ上昇。A6 e-トロン・クワトロでは、462psを得る。こちらは、どちらも駆動用バッテリーが94.9kWhへ増え、急速充電は270kWに対応。最短21分で、残量10%から80%へ回復できる。

航続距離は、前者のスポーツバックで745km。アバントでは703kmがうたわれる。ちなみに、BMW i5 ツーリングは同等の英国価格で553km。アウディの圧勝といっていい。

このエネルギー効率に貢献しているのが、滑らかなボディ。細部まで入念にデザインされ、空気抵抗を示すCd値はアバントで0.24とのこと。

驚くほどクリアなグラフィック 上質な車内

スタイリングは、筆者の目には魅力的に映る。試乗車はサイアム・ベージュというカラーで塗装され、一層オシャレに思えた。フォルムは、スポーツバックよりアバントの方が好み。読者の印象はいかがだろう。リアの4リングスは、標準で赤く灯る。

インテリアで目につくのは、ダッシュボード上で緩やかにカーブを描く、ワイドなモニターパネル。車載機能の殆どが集約され、グラフィックは驚くほどクリア。アイコンが大きく、走行中でも触れやすい。常時表示される、ショートカットキーも便利だ。

アウディA6 e-トロン・アバント・パフォーマンス Sライン(欧州仕様)
アウディA6 e-トロン・アバント・パフォーマンス Sライン(欧州仕様)

少し気になった部分は、タッチモニターの調光機能へ辿り着きにくいこと。運転支援システムの変更も、もう少し簡単な方が良いだろう。ステアリングホイール上のタッチセンサーは、反応が悪い時があった。

とはいえ、インテリアの雰囲気は上質。後席の空間も、前後・上下にゆとりがあり、きっと多くの人が気に入るだろう。

荷室容量は、アバントで502L。床面積的には広く、床下にも収納空間は用意されているのだが、傾斜したリアウインドウが容積を削っている。i5 ツーリングは、570Lとだいぶ大きい。フォルクスワーゲンID.7 ツアラーは、605Lもある。

そのかわり、小さなフランクがある。ボンネットを開く手間はあるが、充電ケーブルを片付けるのに丁度いい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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