ブランドイメージ構築に課題? レクサスLBX 長期テスト(5) モデルの強みはNXと共通

公開 : 2024.12.21 09:45

レクサス最小のクロスオーバー、ブレークスルーを掲げたLBXが英国上陸 BEV仕様なしでも欧州でのシェア拡大は可能か? ヤリスクロスとの差別化は? 英編集部が魅力を掘り下げる

積算1万853km ブランドイメージ構築に課題

長期テスト車のレクサスLBXを担当して数か月。このブランドについて、英国編集部の同僚と意見を交わす機会があったのだが、理解度は想像していたより低いことがわかった。新モデルへ触れることの多い、ロードテストの担当者を除いて。

ある程度の情報を持っている人でも、レクサスの最新ラインナップをちゃんと挙げられる人は多くない。ひと世代前の大型SUVや、サルーンを思い浮かべる割合いが多い様子。

レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)
レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)

このことからも、レクサスは英国市場でのブランドイメージ構築に課題があるとわかる。同社は実際の需要へ応えるように、フルラインナップと呼べる充実度でSUVを展開しているのだが、充分には伝わっていないようだ。

ご存知の通り、このLBXが1番小さなSUV。ひと回り大きいモデルとして、UXがある。これは通常のハイブリッドだけでなく、バッテリーEV仕様も選択できる。中型のSUVがNXで、ハイブリッドとプラグイン・ハイブリッドが用意されている。

バッテリーEVに特化したSUVが、RZ。通常のハイブリッドとプラグイン・ハイブリッドを選べるRXが、英国ではフラッグシップSUVという位置付けになっている。

NXを購入した父 エンジン版マカンも候補

英国のレクサスは、小さなLBXがブランドの知名度向上に貢献すると、期待を寄せている。比較的手の届きやすい、エントリーモデルとして。

「LBXで想定される購買層は、現在の顧客より若く、女性が多いと予想しています。LBXを検討されるお客様の大半は、恐らくレクサスに初めて触れる人でしょう」。担当者は、このように現状を認めている。

レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザインと、レクサスNX
レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザインと、レクサスNX

BMW X5のライバルに当たるRXは、世界的には最も売れているレクサス。英国市場では、ここ数年間はNXが最も人気のあるレクサスになっている。新しいLBXは好調なようで、今後それを追い越す可能性は充分にある。

実は筆者の父は、2023年にNXを購入した。候補としてポルシェのディーラーにも足を運んだそうだが、ガソリンエンジンを積んだマカンを売りたいという姿勢は、まったく感じられなかったとか。電動のマカン・エレクトリックが、控えているからだろう。

果たして、父は新しいNXに満足している。このクラスでは、マカンの方が魅力的なSUVだという考えには、多くの人が同意するのではないだろうか。それでも、父はNXとの生活を楽しんでいる。

車載技術的に、理解しにくい部分はあるらしい。それでも、毎日頭を悩ませるほどではないそうだ。郊外の小さな町に住んでおり、運転が好きで、流れの速い道は身近な存在といえる。ポルシェじゃなくてもコーナリングはイイ感じだよ、と話していた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    レイチェル・バージェス

    Rachel Burgess

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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