ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!

公開 : 2024.12.20 19:05

欧州でのヤリス・クロスのライバル、バイヨンが小変更 インフォテインメントが強み 走りのハイライトは6速MT 想像より硬めの乗り心地 軽快に運転できるクロスオーバーだと英編集部は評価

トヨタヤリス・クロスのライバル

韓国のヒョンデは、最新のバッテリーEVで躍進中。しかし、エンジンで走るクロスオーバーも手は抜けない。欧州市場では特に、このボディタイプの人気は高いからだ。

統計によると、英国だけを見ても、クロスオーバーの市場規模は2017年から2倍へ膨らんだとされている。どの自動車メーカーも、ホイールアーチを樹脂製のカバーで覆い、車高を持ち上げたハッチバックを各種ラインナップしている。

ヒョンデ・バイヨン(英国仕様)
ヒョンデ・バイヨン(英国仕様)

2021年に登場したバイヨンの競合は、フォルクスワーゲンTクロスルノー・キャプチャー、トヨタ・ヤリス・クロスなど強敵揃い。3年目を迎え、競争力を高めるべく、フェイスリフトが施された。ベストのタイミングといえるかもしれない。

スタイリング上の変更は限定的。フロントグリルとヘッドライト回りがリフレッシュされたものの、基本的なイメージに変わりはない。シャープな目つきと、楔形がモチーフになったスタイリングの特徴はそのまま。好き嫌いはわかれそうだが、個性はある。

プラットフォームは、ヒョンデとキアの共同開発による、コンパクトクラス用のK2。現在選べるエンジンは、99psを発揮する1.0L 3気筒ガソリンターボのみ。トランスミッションは、6速マニュアルか7速オートマティックを選べる。

インフォテインメントがバイヨンの強み

トリムグレードは、アドバンス、プレミアム、アルティメットの3段階。16インチのアルミホイールが組まれる、お手頃なアドバンスの英国価格は2万2480ポンド(約438万円)から。プレミアムでは、17インチ・ホイールとツートーン塗装などを獲得する。

トップグレードのアルティメットは、2万5280ポンド(約493万円)。スマートフォン充電パッドにボーズ社製オーディオ、サンルーフ、ブラインドスポット・モニターなどが追加される。

ヒョンデ・バイヨン(英国仕様)
ヒョンデ・バイヨン(英国仕様)

運転支援システムは標準。クルーズコントロールに車線維持支援、衝突被害軽減ブレーキなどが備わる。少しうるさい制限速度警告は、タッチモニターのメニューを掘り下げればオフにできる。

インテリアは、シンプルなデザインで雰囲気が良い。内装の素材に特徴は薄いが。

10.25インチのタッチモニターが標準で、その下へ実際に押せるハードスイッチが並ぶエアコンの操作パネル。扱いやすく、理解しやすいレイアウトだ。ドライブモードとシートヒーターのスイッチは、シフトレバーの影になっている。

インフォテインメント・システムはバイヨンの強み。グラフィックは美しく、操作しやすく、タッチモニターの反応も良い。アップル・カープレイには有線で対応するが、付属するのはUSB-Cケーブルだった。

後席側の空間は充分。ルーフラインが後方へ絞られており、身長の高い大人の場合、頭上の余地は限られるが。荷室容量は411Lで、ボディサイズを考えれば妥当。後席の背もたれをたたむと、1205Lへ広がる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事