生産終了のXF 鮮烈な美のアタランタ 強豪を制したカローラ 2024年に心へ沁みた記事3選(中嶋編)

公開 : 2024.12.29 16:25

AUTOCARの英国記事で、翻訳担当の心へ染みた話題とは? 2024年を象徴したメーカー・モデルとは? 1年間を振り返り、記憶へ刻まれたネタを、それぞれ3本選出

生産終了を迎えたジャガーのエンジン・サルーン

AUTOCARの新企画、2024年に心へ染みた記事3選。小生、中嶋が普段担当させていただいているのは、主に試乗記関連となる。その中で真っ先に思い浮かぶのは、下記の1本だろう。

<「さよなら」ジャガーのサルーン XF 250PSでラストラン(1) 高い一貫性 濃い一体感>

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ジャガーXF インジニウム2.0 250PS(英国仕様)
ジャガーXF インジニウム2.0 250PS(英国仕様)

2024年で生産終了を迎えたサルーン、XFに乗り、ジャガーとゆかりのあるグレートブリテン島各地を巡るという内容だ。英国人らしい皮肉も交えながら、ブランドの歴史やアイデンティティを再確認している。

自分にとって、英国の自動車メーカーの筆頭といえば、やっぱりジャガー。XJ220やル・マンのグループCカー、最近でもFタイプなど、興味を掻き立てるモデルを複数提供してきたからだろう。

そんなブランドは、バッテリーEVブランドへの転身を図り、内燃エンジンから完全に手を引くという。自動車業界が大転換期のただ中にあることを、改めて強く実感する内容といえた。

執筆した英国編集部のマット・プライヤーは、ブランドへ強い思い入れを抱いていることが、文章の端々から伝わってきた。彼の微妙な書き回しをどう表現すべきか難しく感じたが、同時に、自分が抱く残念な気持ちも自然と重なった。

それでも最後は、将来への期待でまとめられている。2025年のジャガーは、果たしてどんな話題を届けてくれるのか。新モデルの試乗記へ触れられる日を、心待ちにしている。

インテリアが鮮烈な印象を残すアタランタ

2本目は、クラシックカーの試乗記。小生はまったく知らなかった自動車メーカーで、今から90年ほど昔のモデルながら、とても新鮮な内容だった(勉強不足で恐縮です)。

<「ベントレーに並ぶ」優雅さと速さ エンジンはリンカーンの12気筒 アタランタV12(1)>

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アタランタV12 4シーター・サルーン(1937〜1939年/英国仕様)
アタランタV12 4シーター・サルーン(1937〜1939年/英国仕様)

第二次大戦前に存在した、英国の「アタランタ・モーターズ」。1937年から1939年に生産されたV12は、たった26台だが、同時期のラゴンダやベントレーに並ぶ速さと豪華さを実現していたという。

エンジンは、アメリカ・リンカーンのV型12気筒。1938年のル・マン24時間レースへ参戦した歴史も持っている。

こんな内容もさることながら、自分へ強い印象を残したのは、美しいスタイリングだった。流線型が台頭する前の、フロントフェンダーから流れるように続くランニングボードと、切り立ったラジエターグリル。素晴らしいバランスにあると思う。

そしてリアヒンジのドアを開くと現れる、インテリアもドラマチック。現代の高級車では見たことのないような大胆な造形に、鮮やかな装飾が展開されている。ぜひ、写真をご覧いただきたい。

近年は二極化が進み、富裕層が特別に依頼するビスポーク車両も存在する。アストン マーティン・ヴァリアントや、ロールス・ロイス・スペクター・セマフォなどだ。しかし、ここまで鮮烈なデザインは、今後生まれるのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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