自己破産のレカロ(RECARO)に救いの手 イタリア部品メーカーが出資、生産再開へ

公開 : 2024.12.09 06:25

7月に自己破産を申請したドイツのレカロ・オートモーティブに対し、イタリアの自動車部品メーカーが出資する。その金額は明らかではないが、2025年1月よりシートの生産を再開する予定だ。

生産拠点はイタリアへ移行

イタリアの自動車部品メーカーであるプロマ・グループ(Proma Group)は、自動車用シートのレカロ・オートモーティブ(Recaro Automotive)に出資し、同社の倒産の危機を救うことになった。

レカロは7月にドイツのエスリンゲン地方裁判所から自己破産の承認を受け、シートの生産が危ぶまれていた。

レカロ・オートモーティブは7月に破産を申請した。
レカロ・オートモーティブは7月に破産を申請した。

プロマはレカロへの投資規模をまだ明らかにしていないが、2025年1月にシート生産を再開できるだけの十分な額である。

プロマはさらに、生産拠点をイタリアに移すことも発表し、ドイツのキルヒハイム・ウンター・テックにあるレカロの既存工場は閉鎖される可能性が浮上した。しかし、プロマはレカロの営業部門と技術部門から「少数の従業員」を引き受ける方針を示している。

プロマのCEOであるルカ・ピノ氏は、「レカロ・オートモーティブへの投資により、自動車業界における最先端のイノベーションを取り入れながら、高級シート製品を提供していく能力が強化される」と述べた。

「レカロの名前は、ドイツの工業技術のベンチマークとして世界的に有名だ。プロマ・グループはイタリアの製造業の卓越性の象徴であり、2つの一流企業の合併によって生まれる未来と品質に期待を寄せている」(同氏)

レカロ・オートモーティブの北米および日本での事業は通常通り継続される。

レカロの航空機用シート、ゲーミングシート、チャイルドシート事業は、レカロ・ホールディングが所有している。レカロ・オートモーティブの破産手続きの影響は受けない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

おすすめ記事

 

人気記事