マセラティ・グランカブリオが好きすぎて……冬【新米編集長コラム#11】

公開 : 2024.12.06 17:05  更新 : 2024.12.22 09:51

ちゃんとスポーツカーしているじゃないか

撮影後は屋根を開けたまま、スポーツモードにして峠を下った。すると、ぎゅっとクルマが小さくなった感じがして、身のこなしが軽くなる印象だ。軽いと感じたステアリングもちょうどいい重さになり、ちゃんとスポーツカーしているじゃないかと、悠然とした街中とのギャップに驚いた。参考までにAWDということで前後トルク配分のモニターを表示していたのだが、街中はほぼリア100%のFR状態で、今回の試乗で前輪のトルクを使用したのは峠道のほぼ一部であった。

長い直線になったので一瞬だけ右足に力をこめると、エキゾーストからネットゥーノエンジンの轟が聴こえてきた。おお! 今度はため息ではなく感嘆である。グラントゥーリズモとの重量差は120kgあり、シート下にボディ補強が入っていると説明を受けたが、そんな重さは微塵も感じることがない。実はキモ入りのウインドストッパーを装着していたのだが、窓を開けていても風の巻き込みはかなり少なかった。

ネットゥーノと呼ばれる3LのV6ツインターボ(542ps)を搭載。炸裂する時のフィールが素晴らしい。
ネットゥーノと呼ばれる3LのV6ツインターボ(542ps)を搭載。炸裂する時のフィールが素晴らしい。    神村聖

これは長距離乗ってみたい、いや、むしろこのまま乗ってどこかに行きたい! と最大限の賛辞として『乗り逃げしたい』という気持ちすら湧いてくる。『いつかマセラティの似合う大人になりたい』という思いはその車中で、『いつかグランカブリオの似合う大人になりたい』と変換されていた。

追記:今週は『110周年記念!マセラティ小特集』ということで、毎日マセラティに関する記事をアップしてきましたがいかがでしょうか? 好評ならまたこうした小特集を組んでいきたいと思います。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

110周年記念!マセラティ小特集の前後関係

前後関係をもっとみる

新米編集長コラムの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

おすすめ

人気記事