高密度バッテリーで690km? 改良版 BMW iX 試作車へ試乗 マックス・モードも 実力更に上昇

公開 : 2024.12.21 19:05

強みは変わらず 歓迎されるアップデート

iXの運転体験は、これまでと基本的に変わらない。パワートレインは、言葉を失うほど滑らかで、必要に応じて豊満なパワーを展開できる。今回走れたのは限られたテストコースということで、明確な進化までは確認できなかった、というのが本音だけれど。

ドライブモードも変更を受け、スポーツプラス・モードが新規に追加された。動的特性が一層スポーティになり、回生ブレーキの効きがアダプティブではなく、強めに固定される。一貫したブレーキの反応は、積極的に運転したいドライバーへ好まれそうだ。

BMW iX xドライブ60(プロトタイプ)
BMW iX xドライブ60(プロトタイプ)

同時に、マックス・モードも得ている。これは、エネルギー消費を最小限に抑え、航続距離をデフォルトから20%近く伸ばすモード。しかし、他のモデルのエコ・モードのように、動力性能や加速力が著しく低くなることはないようだ。

全体的な印象として、今回のマイナーチェンジで得た変化は、さほど大きなものとはいえないかもしれない。もっともそう感じたのは、iXがそもそも完成度に優れた電動SUVだった、ということも理由だろう。

高められた洗練性や、伸ばされた航続距離は、間違いなく歓迎されるもの。これから一層厳しくなるであろう、このクラスでの競争を凌ぐのに、不足ない実力を得ることになりそうだ。

BMW iX xドライブ60(プロトタイプ)のスペック

英国価格:10万ポンド(約1950万円/予想)
全長:4953mm(フェイスリフト前)
全幅:1967mm(フェイスリフト前)
全高:1695mm(フェイスリフト前)
最高速度:199km/h(予想)
0-100km/h加速:4.0秒(予想)
航続距離:690km(予想)
電費:−km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2500kg(予想)
パワートレイン:ツイン励磁同期モーター
駆動用バッテリー:107.0kWh(予想)
急速充電能力:−kW(予想)
最高出力:527ps(システム総合/予想)
最大トルク:78.3kg-m(システム総合/予想)
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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