名車と振り返る「暗い過去」 今はなき英国の自動車メーカー 27選
公開 : 2024.12.14 18:05
リライアント(Reliant)
両極端なクルマを作ったメーカーである。一方では三輪の穏やかでないクルマを生産し、他方ではハンサムで先駆的なスポーツワゴン、シミターGTE(写真)を生産した。
後期のシミターSS1は、醜いながらも驚くほど高性能なスポーツカーであった。リライアントの最後の1台は2002年に出荷された。
ライリー(Riley)
1920年代から1930年代にかけて、スポーツカーメーカーとして賞賛されていたライリーだが、1938年にモーリスに買収されて以来、その個性を失った。1960年代半ばには、すべてのモデルがオースチンのバッジエンジニアリング車となっていた。
1969年にブリティッシュ・レイランドの手により消滅したが、1990年代後半にBMWによって復活の一歩手前までこぎつけた。興味深いことに、BMWは現在もライリーという名称の権利を所有している。
ローバー(Rover)
ローバーは1904年に自転車から自動車へと転向し、1920年代までは好調を維持した。その後、一時的に低迷したが、ウィルクス兄弟によって再活性化され、高品質なクルマで高い評価を得た。第二次大戦後もP4、P5、P6と次々に新型を投じている。
1966年にレイランドに買収され、1968年のブリティッシュ・レイランドの鍋に放り込まれ、徐々に衰退し、低価格路線へとシフトした。1994年から2000年まではBMWの所有となり、2005年にはMGローバーとして悲惨な最期を遂げた。
その衰退の過程で特筆すべきは、1976年の素晴らしいが品質の悪いSD1、1989年のホンダベースの200シリーズ、そして同社史上最高のクルマである75など。しかし、その名はランドローバーとして、また中国では「Roewe」として現在も生き続けている。また、JLRのオーナーであるタタ・モーターズは、ローバーのブランド名を所有している。
写真:ローバー3500
シンガー(Singer)
シンガーは1905年に自転車から自動車へと転身し、戦前のル・マン・スポーツカーが同社の最高傑作となった。 1947年のSM1500セダンは鈍重で醜く、やがてルーツ社に身売りし、1970年までバッジエンジニアリングしながら生き延びた。
写真:シンガー・ナイン・ル・マン1935
スタンダード(Standard)
スタンダードは1906年から安価で目立たないクルマを作っており、よく知られるのは戦後の奇妙なアメリカンスタイルのヴァンガード(写真)だ。1945年にトライアンフを買収し、1963年にレイランドに買収された後、スタンダードの名称は消滅した。
写真:スタンダード・ヴァンガード