【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・ゴルフ 優れたEV走行性能 驚異の高効率 熟成感ある走り

公開 : 2024.12.07 20:25

走り ★★★★★★★★☆☆

このゴルフのパフォーマンスは、駆動用バッテリーをフルチャージしていなくても確実に発揮される。

フル充電に近いと、コンディションによっては前輪のトラクションをやや上回って多少のホイールスピンを生じさせることもあるので、より速い発進加速タイムを計測したのはバッテリーをほとんど使い切ったときだった。電力が切れるとパフォーマンスが落ちるPHEVもあるが、そうではないといっていい。

動力性能のテスト結果が、バッテリー残量に左右されることはほぼなかった。通常の使い方では積極的に電力で走行し、それで80km/hくらいまでは不満のない走りを見せる。
動力性能のテスト結果が、バッテリー残量に左右されることはほぼなかった。通常の使い方では積極的に電力で走行し、それで80km/hくらいまでは不満のない走りを見せる。    MAX EDLESTON

GTEという仕様もあるので、eハイブリッドの購買層はパフォーマンスより、ドライバビリティや上質さ、効率やEV走行距離を重視すると思われる。その点、テスト車はかなり高水準にある。

発進はほぼ常に静かなモーターを用いる。走行モードでスポーツを選んでも、常にエンジンがかかるわけではないので、フルパワーでスタートしようとすると、ピストンが回り出すのに一瞬間があり、それからエンジンのトルクが前輪へ送られる。それでも、とくに不満を覚えるようなことはない。

対して、電力のみでの走行は、80km/hまではかなりの動力性能をみせる。さらにスロットルを踏み込むとエンジンが目を覚ますが、静かでスムースに始動するので、そうと教えてくれるのは回転計だ。多少の粗さが感じられるのは、高回転まで回して負荷をかけたときくらいだ。

速度域の高いA級道路や高速道路を走る際には、エンジンの介入頻度が増える。そういうシチュエーションでも、レンジエクステンダー的なゼロエミッション巡航をすることは難しくない。

ブレーキは、テストコースでもフェードによる問題を見せなかった。低速域ではペダルの踏み具合に対する効き方に多少の奇妙さがあったが、気になるほどのものではなかった。

記事に関わった人々

  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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