【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・ゴルフ 優れたEV走行性能 驚異の高効率 熟成感ある走り

公開 : 2024.12.07 20:25

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

一般的なゴルフは、マーケットのど真ん中だと間違いなく思わせてくれるほど走りの万能さを感じさせてくれるが、eハイブリッドはその重さやドライブトレインの複雑さがありながら、同じような感覚を味わえる。

これより小さい競合ハッチバックに比べれば、フットワークの軽さや持って生まれた俊敏さでは譲るが、スポーティさより快適さに振っていることは明らかにわかる。乗り心地はしなやかでなめらかだが、グリップやボディコントロールもまずまず。ステアリングは正確で、予測が効き、なかなか素早いが、ほとんどのオーナーが必要としないほどの鋭く熱いハンドリングはない。

特別スポーティさはないハンドリングだが、まさにゴルフらしい完成度。オプションのアダプティブダンパーをハードにすると、限界ハンドリングテストでも安定した挙動を実現した。
特別スポーティさはないハンドリングだが、まさにゴルフらしい完成度。オプションのアダプティブダンパーをハードにすると、限界ハンドリングテストでも安定した挙動を実現した。    MAX EDLESTON

言ってみれば、熟成され、バランスがよく、やや上質感のあるゴルフらしい走り以上のものは、ほとんどないのだ。

オプションのDCCことアダプティブダンパーは、乗り心地に広い調整幅をもたらし、B級道路でもしなやかに駆け抜ける。よほどキツいエッジを乗り越えるときくらいでないと、ホイールコントロールに不測を覚えることはない。硬い設定にすると、限界ハンドリングを試すテストの間でもボディのロールをしっかり抑え、良好なスタビリティやステアリング、ハンドリングのバランスを維持してくれた。

記事に関わった人々

  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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