【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・ゴルフ 優れたEV走行性能 驚異の高効率 熟成感ある走り

公開 : 2024.12.07 20:25

購入と維持 ★★★★★★★★★★

価格は3万7135ポンド(約709万円)からと、ゴルフとしては高いほうに入る。パワーで劣るマイルドハイブリッドは、ガソリンもディーゼルも2割ほど安いが、税制的にはPHEVの方が有利だ。

欧州車では、同じクラスのEVに近い値付けだが、電動車の走りとコストの優位性を備えると同時に、内燃エンジンのバックアップもあるのだから、その出費を正当化するのはたやすい。142kmのEV航続距離だけ考えても、そう言っていいだろう。

EハイブリッドとGTEには、欧州市場のフォルクスワーゲン車では初の光るフロントエンブレムが装備された。ちなみにリアのエンブレムは、トゥアレグRラインに赤く光るタイプの採用例がある。
EハイブリッドとGTEには、欧州市場のフォルクスワーゲン車では初の光るフロントエンブレムが装備された。ちなみにリアのエンブレムは、トゥアレグRラインに赤く光るタイプの採用例がある。    MAX EDLESTON

テストでは、複合的な走行状況で106kmほど走ったが、このクラスのPHEVとしては平均の倍くらいだ。日常使いでは電動走行する機会を増やし、給油回数を減らすのに十分すぎる航続距離だ。

1週間のテストで800kmちょっと走ったが、その間に自宅で充電した回数も、ちょい乗りする機会も多くあった。また、数時間にわたるテストコースでのハードな走行もした。それで消費した燃料は、タンク半分ほど。38.2km/Lという平均燃費は驚きの数字だが、レンジエクステンダー的な走りを効率的に行ったことより、充電した電力を積極的に使ったことのほうが大きく反映された結果だ。それは、ツーリングや日常使いでの燃費を平均値が上回ったことからうかがえる。

電力のみで走った場合のエネルギー消費、すなわち電費は、さまざまな走行状況を含めた平均が5.5km/kWhだった。これは、同じようなサイズのBEVに匹敵する。

記事に関わった人々

  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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