トヨタ・ランドクルーザー(250)へ英国試乗 「オンロード」マナー向上 走れない場所ほぼナシ!

公開 : 2024.12.22 19:05

トヨタの技術力を証明し続けるランドクルーザー 直線基調の容姿で、オフローダーらしい風格 従来より格段にモダンな内装 走れない場所はほぼナシ 軽く正確な操舵感 英編集部が評価

直線基調のオフローダーらしい風格

トヨタが擁するラインナップは、実に幅広い。ディーラーに行けば、直列6気筒エンジンを積んだスポーツカーに、ハイブリッドの小さなハッチバック、ラダーフレームとリジッドアクスルのピックアップトラックまで、多様なモデルで悩むことができる。

その中の1つ、ランドクルーザーは、同社の技術力を証明してきた立役者だ。欧州市場では珍しい存在だが、世界各国の大地を走り回っている。現在の英国へ導入されているのは、250系のみ。プラドの進化版で、電動化技術は搭載されていない。

トヨタ・ランドクルーザー・インヴィンシブル(英国仕様)
トヨタ・ランドクルーザー・インヴィンシブル(英国仕様)

スタイリングは、レトロフューチャーで好ましい。オフローダーらしい風格を漂わせる、直線基調だ。このデザインは、見た目だけでなく機能性も高い。ボディパネルは多少の変形を許容し、接触時の衝撃を逃がすという。バンパーは部分的に交換できる。

ボンネットは先端まで平坦で、位置を確認しやすい。フロントガラスは、空力的には望ましくないが、直立に近く広い視界を確保。サイドウインドウの下端は、従来より30mm低くなった。

スペアタイヤは、車両後方の下部へ積まれ、テールゲートは上ヒンジで開く。ガラス部分だけ開閉可能なのがうれしい。

ラダーフレームのシャシーはプラド譲りだが、溶接ポイントは84か所増やされ、11.9mぶんの接着剤も利用し、ねじり剛性は5割増し。サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式で、リアがリジッドアクスルとなる。

従来より格段にモダンな内装 モニターが2面

メカニズムで注目すべき点は、パワーステアリングが電動になったこと。これにより、オンロードでのマナーを改善し、エンジンのエネルギー効率も上昇している。

走行中の音振を考慮し、防音材やシール材は改良。アクティブ・ノイズキャンセリングも備わる。悪路性能を高めるオプションが、リアのトルセン式デフ。フロントのアンチロールバーを切り離すシステムも追加できる。

トヨタ・ランドクルーザー・インヴィンシブル(英国仕様)
トヨタ・ランドクルーザー・インヴィンシブル(英国仕様)

サイドステップに足をかけて乗り込んでみると、内装は従来より格段にモダン。ダッシュボードには、仕様によって8.0インチか、12.3インチのモニターが2面並ぶ。安っぽさはなく、実直で堅牢な雰囲気が漂う。

英国仕様のシートは、2列が標準。2列目を倒せば、オプションとなる3列目への乗り降りも難しくない。この最後尾へ座るのに向いているのは、小柄な大人まで。利用時は、荷室がかなり削られてしまう。

インフォテインメントは、トヨタで良く見られるシステムで、概ね操作しやすい。スマートフォンとのミラーリングと、本来のシステムとの切り替えがスムーズなら、一層便利だろう。

トヨタは、手袋をしたままでも操作できるよう、主要なボタン類をデザインしたと主張する。シフトレバーは、しっかり前後へスライドできる。これで、運転支援システムをオフにできるスイッチがあれば、理想的だろう。

とはいえ、車線維持支援は有能。交通標識の読み取り機能も、精度が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事