おもちゃではありません 世界の奇妙なマイクロカー 37選 前編
公開 : 2024.12.15 18:05
バークレーB95(1959年)
すべてのマイクロカーが経済性ばかりを追求したわけではなく、中には運転の楽しさを目指すものもあった。英国のトレーラーハウス製造業者であるバークレーは、ローリー・ボンド氏(ボンド・カーズ社)と提携し、2気筒または3気筒の空冷2ストロークエンジンを搭載した三輪および四輪のマイクロカーを開発した。代表的なモデルが692ccエンジン搭載のB95だ。SA322、SE328、SE492といったモデルも販売され、これらの車名の数字はそれぞれエンジンの排気量を表している。
ボンド・ミニカー(1949~66年)
ローリー・ボンド氏は、ミニカー(Minicar)と銘打った一連の小型車を手掛けた人物だ。最初のモデルは1949年に登場し、1966年まで生産された。いずれのモデルも、フロント一輪に単気筒空冷エンジンを搭載している。初期の排気量はわずか122ccだったが、最終的に249ccまで拡大され、100km/h近い高速走行が可能となった。
JARCリトルホース(1953年)
マイクロカーの世界は複雑怪奇で、販売元や生産者がころころ替わっている。英国のJARCはリトルホースというモデルを開発したが、1954年にアストラ社に売却する。その後、ギル社からゲッタバウト(Getabout)として、さらにオーストラリアのライトバーン社からゼータ(Zeta)として生産されていた。生産は1966年まで続いた。
アストラ・ユーティリティ(1955年)
前項のJARC リトルホースのアストラ版が、こちらのユーティリティというモデルだ。当時のAUTOCAR誌に掲載された広告を見るに、全長わずか9.5フィート(2896mm)、全幅4.5フィート(1372mm)未満で、322ccの2気筒エンジン(最高出力15ps)を搭載し、最高速度は93km/hに達するという。そこまでスピードを出すのは恐ろしい気もするが……。
ロドリー(1954年)
おめかしして街へナンパに繰り出すなら、1954年にはこのクルマがぴったりだった。ロドリーに乗っていれば、幸運が訪れることは間違いない。そのスタイリングを見れば一目瞭然だ。ロドリーは1954年から1956年にかけて生産されたマイクロカーで、スチール製ボディパネルと比較的大きな750ccエンジンが特徴である。ただし、このエンジンはオーバーヒートを起こしやすく、しばしば火災を引き起こす危険性もあった。初デートが忘れられない思い出になった人もいるかもしれない。
クラインシュニットガーF125(1950年)
公道を走れるまっとうな乗用車というよりも、遊園地の電動カートのような外観のクラインシュニットガーF125。その名の通り125ccの単気筒2ストロークエンジンを搭載し、1950年から1957年にかけて生産された。
(翻訳者注:この記事は前編です。後編と合わせてお楽しみください)
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