弱点を許せる魅力! ミニ・クロスオーバー(Mk2) UK中古車ガイド 走りは活発な「ハッチバック」 

公開 : 2024.12.29 19:05

初代の弱みを克服した、2代目カントリーマン(クロスオーバー) 実用的で充実装備の5ドア 走りは活発なハッチバック 硬めの乗り心地で小径ホイールがオススメ 英編集部が魅力を振り返る

実用的で充実装備の5ドア・ミニ

新生ミニへ2010年に追加された、初代ミニ・カントリーマン(クロスオーバー)。実用的な5ドアモデルが狙われていたものの、少し実力不足で、人間工学的にも理想的とはいえなかった。

それでも背の高いプロポーションで、しっかり人気を獲得。2代目は2017年に登場している。初代の課題を見直し、車内空間は拡大。グリップ力が高められ、走行性能も引き上げられた。クラストップといえる訴求力を得ていた。

ミニ・カントリーマン(クロスオーバー/Mk2/2017〜2023年/英国仕様)
ミニ・カントリーマン(クロスオーバー/Mk2/2017〜2023年/英国仕様)

シャシーは、通常のミニから200mm延長。リアシートへ大人が座っても、快適に長時間過ごすことができた。7代目ゴルフより、上下方向にはゆとりがあるほど。荷室容量は450Lで、これは1クラス上の広さといっていい。

そしてカントリーマンは、2024年に3代目へ交代。現在の英国では、2代目の中古車を7000ポンド(約137万円)前後から探すことが可能になった。

ミニ・ブランドの1台らしく、インテリアデザインは個性的で、仕立てられる素材は上質。若干フィット感に甘い部分はあるものの、掛け心地の良いシートの調整域は広く、望ましい運転姿勢を取ることができる。実用的で、装備も充実していた。

ダッシュボードにはインフォテインメント用タッチモニターが備わり、6.5インチか8.8インチを選択できた。これから選ぶなら、大画面の方が良いだろう。グラフィックは充分美しく、ロータリーダイヤルで操作でき、走行中でも扱いやすい。

走りは活発なハッチバック 小径ホイールがオススメ

路上での印象もミニらしい。活発なハッチバックのように運転できる。アウディメルセデス・ベンツの高性能ホットハッチへ動的能力は届かないものの、充分にエネルギッシュ。積極的に速度を乗せ、ステアリングの反応は小気味いい。

シャシーのバランスも良好で、颯爽とコーナリングできる。ただし、乗り心地と静寂性は、若干犠牲になっていた。舗装のつぎはぎが目立つ場所では、落ち着きに欠ける。

ミニ・カントリーマン(クロスオーバー/Mk2/2017〜2023年/英国仕様)
ミニ・カントリーマン(クロスオーバー/Mk2/2017〜2023年/英国仕様)

オプションでアダプティブダンパーを組め、快適性は改善できた。ただし、目立った違いとまではいえない。

パワートレインは多彩で、135psを発揮する1.5L 3気筒ガソリンターボが、英国仕様のベースユニット。191psの2.0L 4気筒ターボ、クーパーSや、231psのジョン・クーパー・ワークス(JCW)も選べた。

150psのクーパーDや、189psのクーパーSDなど、ディーゼルターボも提供された。プラグイン・ハイブリッドは燃費が期待ほど優れず、荷室も狭く、あえて選ぶ必要はないだろう。通常は前輪駆動で、オール4と呼ばれた四輪駆動もある。

長距離旅行を定期的に楽しむなら、クーパーDが好適。適度にパワフルで普段使いしやすく、燃費も14.0km/L以上を簡単に出せる。市街地中心なら、1.5Lガソリンでも不満なし。特有のエンジン音は、ミニのキャラクターに合っている。

乗り心地を重視しなければ、運転を楽しめるクロスオーバーとして、カントリーマンの訴求力は高い。小さめのホイールを組めば、快適性も多少高められる。弱点を許せるほど、中古車価格もお手頃だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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