知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編

公開 : 2024.12.21 18:05

会社や製品を象徴するエンブレムには、さまざまな意味や歴史が隠されている。創業者の星座、街の紋章、企業理念など、自動車メーカーのエンブレムのデザインに込められた「想い」を紹介する。

エンブレムに秘めた「想い」

自動車メーカーのエンブレムは、会社やそのクルマを象徴するシンボルである。

フェラーリランボルギーニBMWなど、有名なメーカーのエンブレムは、クルマに詳しくない人でもすぐに認識できるほどよく知られている。しかし、エンブレムにまつわる興味深い裏話や、その形の意味について知る人は多くない。

星座、街、創業者の理念など、エンブレムにはさまざまな意味が込められている。
星座、街、創業者の理念など、エンブレムにはさまざまな意味が込められている。

マツダフォルクスワーゲンシトロエンプジョーなどのエンブレムにも、それぞれ背景がある。

最近では、主にデジタル世界に対応してエンブレムのデザインを微調整するメーカーも多い。この記事では、現在多くのクルマに付けられているエンブレムをいくつか紹介しよう。

アバルト

サソリは、同社創設者カルロ・アバルト氏の星座であるさそり座を表している。上部にはイタリア国旗があり、赤はイタリアのレーシングカラーに由来する。現在のアバルトのエンブレムは、フィアットベースの高性能モデルに付けられている。

アバルト
アバルト

アキュラ

一見、説明不要の「A」の文字をデザイン化したものだが、実際にはノギス(厚さを測る工具)を表している。これは、アキュラの優れた技術力をアピールするものだ。よく見ると、エンブレムの中に「H」の文字も見え、母体であるホンダとのつながりを示している。

アキュラ
アキュラ

アルファ・ロメオ

社名のアルファ(Alfa)は「アノニマ・ロンバルダ・ファブリカ・アウトモビリ(Anonima Lombarda Fabbrica Automobili)」の頭文字であり、ロメオ(Romeo)は1915年に同社を買収した実業家の姓である。エンブレム左側の赤い十字はミラノのシンボルで、右側は歴史的にミラノを支配していたヴィスコンティ家の紋章だ。そこに描かれているのは、王冠をかぶった大蛇がムーア人を飲み込んでいる姿である。

アルファ・ロメオ
アルファ・ロメオ

アルピナ

アルピナ(Alpina)という名称は、アルプス山脈の麓に同社初の工場(タイプライターの製造)を構えていたことに由来する。エンブレムには、同社とBMWの緊密な関係の始まりとなった部品であるウェーバーキャブレターとクランクシャフトが描かれている。

アルピナ
アルピナ

AMG

今日よく見かけるAMGのロゴは、3文字のアルファベットが描いてあるだけだ。非常にわかりやすいが、非常に退屈でもある。しかし、もっと凝ったデザインのエンブレムも持っている。

上に書かれたアファルターバッハ(Affalterbach)はAMGの工場があるドイツの町の名だ。円の左側にある木と小川はこの町の旗を模したもので、バルブとスプリングは工場を表している。このエンブレムは、最新のAMG車にも見ることができる。

AMG
AMG

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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