知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編
公開 : 2024.12.21 18:05
ブガッティ
楕円形の内側のモチーフは、ブランド創設者であるエットーレ・ブガッティ氏のイニシャルを表している。赤い楕円の縁に並ぶ60個の点は、ブランドの偉大さを示す真珠であるという説と、ガスケットレス・エンジンのネジが緩まないようにブガッティが使用していた安全ケーブルであるという説という、相反する2つの説明がある。これはエットーレ氏自身にしかわからない謎だ。
ビュイック
ビュイックの初期のエンブレムは、社名を優雅に表記したものだった。しかし、創設者デビッド・ビュイック氏(スコットランド出身)の家系の紋章が3つの盾で構成されていることが調査で判明したため、それを称えるためにエンブレムが変更され、今日我々が知るデザインとなった。
キャデラック
この名称は、デトロイトの町を創設したフランスの探検家、アントワーヌ・ド・ラ・モス・キャデラック氏に由来する。複雑なエンブレムは、同氏が昔の隣人であるラモット・バルディグ男爵の本物の盾を基にして、自ら作った紋章から来ている。当初、キャデラックのエンブレムには6つのマーレット(紋章学における脚のない架空の鳥)が描かれていたが、2000年に金色のクオーターに黒の横縞が入ったデザインに変更された。
2021年にはEVへの移行を見据え、単色の新しいエンブレムを発表したが、クルマに付いているのは馴染みあるカラフルなものだ。
シボレー
有名な「蝶ネクタイ(ボウタイ)」のエンブレムは、同社が設立されてから2年後に導入された。これはルイ・シボレー氏が地元の新聞の広告で目にした、石炭会社コーレッツのデザインにインスピレーションを得たものとされている。
クライスラー
1924年発売のクライスラー・シックスで、中央にメダル状の飾りをあしらったシルバーの翼のエンブレムが初めて使用された。初期のチーフデザイナーであるオリバー・クラーク氏が、翼のついたラジエーターの装飾と、古いトランプで使用されていた封蝋(シーリングワックス)を思わせるデザインを考案した。クルマの品質の高さを象徴するものである。
1940年代には、中央に5つの星をあしらった紋章に変更され、有名な「ペンタスター」となったが、その後、オリジナルに近いデザインに戻された。封蝋はもう見られないが、伸びやかな銀翼は残っている。
シトロエン
1901年、創業者アンドレ・シトロエン氏はポーランドを訪れ、そこで二重らせん状のヘリカルギアの特許を購入した(歯車製造が同氏の本来の事業であった)。2つの山型は、この噛み合う歯車を象徴している。
2022年、シトロエンはEV時代に向けて、1919年のオリジナルを再解釈した新しいエンブレムを採用した。