ダッジ

ダッジは長年、長い角を持つ雄羊の頭をシンボルとしてきた。この雄羊は「ラム」と呼ばれ、ステランティスの商用車ブランド名(RAM)にもなっている。これにより、ダッジは独立した際に、ラムに頭と角を奪われた。現在のエンブレムは、よりシンプルでエレガントなものとなり、2本の赤いストライプは情熱とエモーションを象徴している。少なくとも、ステランティスはそう言っている。

ダッジ
ダッジ

フェラーリ

ロゴの上部にはイタリア国旗が描かれている。その下にはモデナのシンボルカラーである黄色の盾があり、スクーデリア・フェラーリの頭文字「SF」と、左向きに跳ねる黒馬が描かれている。この馬はもともと、第一次世界大戦の戦闘機エースパイロットであるフランチェスコ・バラッカ氏の愛機に描かれていたものだ。エンツォ・フェラーリ氏がバラッカ氏の母親に会ったとき、この馬をクルマに使うようにとの申し出を受け、エンブレムに採用した。

バラッカ氏は、大戦中に撃墜したドイツ軍機から馬の紋章を取ったと考えられている。それはシュトゥットガルトの紋章であり、フェラーリの馬はポルシェのエンブレムの馬と同じであるというのが一般的な説だ。

フェラーリ
フェラーリ

フォード

1927年に初めて使用された青い楕円形のエンブレム(ブルーオーバルと呼ばれる)には、創業者ヘンリー・フォード氏の署名が刻まれている。この署名は1909年以来ほとんど変わっていない。

2023年、フォードはエンブレムをわずかに変更し、クロームを廃止してシンプルかつモダンなデザインとした。

フォード
フォード

長城汽車

中国のメーカーである長城汽車は、楼閣を象ったエンブレムを使用している。これは、実際の万里の長城にある物見やぐらで、武器を保管したり、狼煙を上げたりするために使われていた。同社によると、このエンブレムは万里の長城の強さと堅牢さも象徴しているという。

長城汽車
長城汽車

ヒョンデ

一見すると、ホンダのエンブレムを単に斜体化しただけのように見えるが、これには隠された意味がある。2人の人間、すなわち会社と消費者の信頼関係を表す握手をデザインしたものであり、会社の方がお辞儀をするような、あるいは寄り添うような格好となっている。

2017年、3Dのメタリック効果を取り除き、平面的なエンブレムに変更された。ヒョンデの新しい企業イメージを打ち出すデザインである。

ヒョンデ
ヒョンデ

インフィニティ

このエンブレムには公式に2つの解釈があり、どちらも上向きの三角形に関するものである。1つ目は、未来に向かって伸びる高速道路を表しているという解釈で、ブランド設立前に社内で「ホライゾン(地平線)」というコードネームで呼ばれていたことに由来する。2つ目は、富士山を表しているという解釈で、これは日本の国民性と高い品質を象徴するものだ。

2023年にデザインが若干変更され、三角形の頂点が一点で交わらず、水平線が強調されるようになった。これは、顧客体験に重点を置くことを意味している。

インフィニティ
インフィニティ

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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