知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編

公開 : 2024.12.21 18:25

会社や製品を象徴するエンブレムには、さまざまな意味や歴史が隠されている。創業者の星座、街の紋章、企業理念など、自動車メーカーのエンブレムのデザインに込められた「想い」を紹介する。

ランボルギーニ

星座にインスピレーションを受けた人物の1人に、牡牛座のフェルッチオ・ランボルギーニ氏がいる。1962年にスペインのセビリアで闘牛ミウラを飼育する有名な牧場を訪れたことをきっかけに、エンブレムへの採用を決めた。また、牡牛はランボルギーニの力強さを象徴しているとも言われている。

2024年にエンブレムが更新され、今後はすべての新型車に新しいデザインが採用されることになっている。明るい金色の装飾が控えめなブロンズに変更され、ランボルギーニの名称は「ブランドの明確なアイデンティティを象徴する」ように幅が広い書体で書かれる。

ランボルギーニ
ランボルギーニ

ランドローバー

1986年から現在の形となっている同社のエンブレムについては公式な説明はないが、緑色は自然と、都市から離れた大自然の中を移動するランドローバーの能力を表現しているのではないかと推測されている。さらに、左右の2つの単語をつなぐ線は、同社のスローガン「Above and Beyond(さらなる高みへ)」を抽象的に表現したものと考えられている。

ランドローバー
ランドローバー

ロータス

ロータス(Lotus)という名称に込められた意味は公式には明らかにされていないが、一般には、創設者であるコリン・チャップマン氏が蓮の花(英:Lotus)に造詣が深く、仏教哲学における蓮の花が涅槃(極楽浄土)の象徴であることに由来すると考えられている。

エンブレムの黄色は明るい未来を象徴し、中央の菱形はブリティッシュ・レーシング・グリーンで、ロータスのレースの起源を表している。上部の絡み合った文字は、アンソニー・コリン・ブルース・チャップマン(Anthony Colin Bruce Chapman)のイニシャルである。

ロータス
ロータス

2019年、エンブレムは2色のみ、すなわち同社の伝統のブリティッシュ・レーシング・グリーンと黄色に簡素化され、書体もシンプルなものとなった。

マセラティ

シンボルのトライデントは、ボローニャの中央広場であるマッジョーレ広場にある、ローマ神ネプチューンの像が持つトライデント(三叉槍)から取られた。マセラティの故郷を表すだけでなく、ネプチューンの強さや、地震、嵐、馬の神としての性質も表している。

マセラティ
マセラティ

マツダ

マツダ(Mazda)という名称は、初期のアジア文化で隆盛を誇ったゾロアスター教の創造神アフラ・マズダー(Ahura Mazda)に由来する。マズダーは「知恵」と翻訳されている。偶然にも、これは同社の創業者である松田重次郎の英語表記と同じであった。

マツダは時代とともに何度かエンブレムのデザインを変更しており、現在のような形となったのは1996年のこと。楕円形の中にスタイライズされた「M」が描かれており、楕円形は太陽を、「M」は会社を表している。また、翼を広げたようにも見えるが、これはマツダの表現の自由を象徴しているとされている。

マツダ
マツダ

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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