知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 後編
公開 : 2024.12.21 18:25
マクラーレン
マクラーレン・レーシングチームの初期のエンブレムは、キウイ鳥に焦点を当てたもので、創設者ブルース・マクラーレン氏の故郷であるニュージーランドを表していた。1980年代には新しいデザインが与えられ、主要スポンサーであるマールボロのシェブロン(山形のマーク)が組み込まれた。
1997年には、このシェブロンが形を変え、単一で描かれるようになった。その後、現在の「スウォッシュ」に変更されたが、マクラーレンは、これはマールボロとは関係なく、「捕食動物や昆虫に見られる攻撃的な模様を想起させる」ものだと述べている。
2021年には、シェブロンカラーがパパイヤ色に変更され、フォントスタイルもスリムなものとなり、レースでの強さを象徴するようになった。
メルセデス・ベンツ
メルセデス(Mercedes)という名称はダイムラーのパートナー、エミール・イェリネック氏の娘の名前に由来する。ベンツ(Benz)は、世界初の自動車を作ったカール・ベンツ氏に由来する。1926年に2社が合併し、メルセデス・ベンツが誕生した。
エンブレムは、1870年代にゴットリープ・ダイムラー氏が妻に送った絵葉書に由来する。その絵葉書には、自分が住んでいる場所を三つ星で印し、「いつの日かこの星が、我々の勝利の工場の上に輝くだろう」と書かれていた。これが初めてクルマに使用されたのは1910年のことで、星の3つの突起は陸・海・空を表すようになった。
MG
MGは、1924年に英国オックスフォードでウィリアム・R・モーリス氏の自動車事業の一部として始まったモーリス・ガレージ(Morris Garages)の略である。八角形のエンブレムは、通常のモーリスモデルとMGモデルを区別するためのもので、一部のクルマには八角形のメーターダイヤルも採用された。
2021年には、新しい親会社の下でのビジョンを表現するために、よりミニマルなデザインに刷新された。
三菱
三菱は、エンブレムが社名を表すのではなく、社名がエンブレムを表しているという珍しいメーカーである。3つの菱形(ダイヤモンド)を組み合わせていることから、三菱と呼ばれるようになった。このスリーダイヤのデザインは、創業者である岩崎彌太郎によって選ばれた。彼が仕えた土佐藩の三つ葉の紋章と、岩崎家の家紋である3つの菱形を重ねたものを想起させる。
モーガン
翼のついたエンブレムの由来は不明だが、よく知られている話としては、第一次世界大戦の戦闘機パイロット、アルバート・ボール大尉にインスパイアされたというものがある。初代の三輪車エアロのオーナーであった彼は、その運転の爽快感を、空を飛ぶことに最も近いものだと表現した。