ランボルギーニ・レヴエルト 詳細データテスト V12存続に拍手 驚異の速さ 歴代最高ハンドリング

公開 : 2024.12.14 20:25  更新 : 2024.12.25 05:12

内装 ★★★★★★★★☆☆

巨大なバタフライドアを開いて乗り込むと、マテリアルクオリティや組み付け、フィニッシュはこれまでのランボルギーニとは桁違いにいい。アウディとのつながりを考えると、設えにドイツ車的なところがあるのも驚きではない。

レザーやカーボン、高品質なプラスティックのミックスは右に出るものがなく、ステアリングホイールのリアルなボタンやノブの存在は、SF90ストラダーレのハプティックコントロールより使い勝手がはるかにいい。

メーターとセンターに加え、助手席前にもディスプレイが備わった。クオリティは、これまでのランボルギーニから飛躍的に向上した。右ハンドルでも、ステアリングオフセットはない。
メーターとセンターに加え、助手席前にもディスプレイが備わった。クオリティは、これまでのランボルギーニから飛躍的に向上した。右ハンドルでも、ステアリングオフセットはない。    JACK HARRISON

ヘッドルームは数cm増し、レッグルームも拡大された。ステアリングコラムのテレスコピック調整幅は驚くほど広く、ドライバーの95%は快適で直観的なポジションを得るのが難しくないはずだ。ポルシェのGTモデルやマクラーレンほど、ナチュラルでポジションを合わせやすくはないかもしれないが。

フロントにはモーターを2基積むが、フロントトランクはまずまず大きい。SF90にはそれが欠けているので、現実的なアピールを損ねている。さらに、シートの背後にはソフトなバッグをふたつくらいは積み込める。ただし、ジャケットは横に置いたほうが便利だった。

また、小物入れの類はあいかわらず物足りない。新たにゴム敷きとなったセンター画面下のデッキは使いやすいが、まともな小物入れやドアポケット、ネットなどはない。

視認性は改善され、後方視界はエンジン周りの制約を受けながらも、広がったリアウインドウのおかげで、少なくとも周囲の状況を把握できる。アヴェンタドールでは、頭の後ろで起きていることはほぼ想像するしかなかった。前方視界は、ビリヤード台くらい大きいフロントウインドウと、三角窓に期待するとおり良好だ。

アヴェンタドールと比較すると、タッチ式デジタル画面への依存度が増した。デジタルメーターにはGフォース計やタイヤ空気圧などが表示でき、センター画面と助手席ディスプレイを備え、表示内容を別の画面に移すことも可能。タッチやジェスチャーでのスワイプで、簡単に操作できる。

インフォテインメントの統合は、スマートフォンを介したフルコネクティッドのアプリ機能にも及ぶ。内蔵したAmazon Alexaでの音声認識操作にも対応するが、市販車への導入は遅れているそうだ。

収納不足を別にすれば、快適性は優れている。ラグジュアリーさとレーシーさのバランスがみごとで、かつてクルマを作ってからドライバーが乗ることを考えると言われたメーカーの製品でありながら、1000ps級のV12スーパーカーに期待する気安さと魅力を備えている。これは進歩だ。

ドリンクホルダーがふたつ備わったのも、大きな進歩だろう。助手席側のパネル裏に隠された設置方法は、かつてのポルシェのようなスタイルだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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