「デジタルデトックス」な楽しさ フォルクスワーゲン・ゴルフ Mk1へ試乗 50周年を祝う
公開 : 2024.12.30 19:05 更新 : 2024.12.31 16:59
ゴルフに乗れば誰でも身なりが整う
ソールズベリーの濡れた石畳を、ボディを揺らしながら進む。ステアリングホイールを回し、大聖堂の路地を曲がる。流れの速い郊外の一般道でも気持ち良いが、旧市街をうろついていても心地良い。
衝突安全性が低いかわりに、運転席からの視界は広い。ルーフを支えるピラーは細い。ボディの硬さを想像すると、集中力は常に高く保つ必要がある。一方で、周囲の状況は極めて判断しやすい。バックセンサーがなくても、殆ど困らない。
Mk1でも、あらゆる人の、すべてのコトへ応える、能力の高さを備える。フォルクスワーゲンCEOのトーマス・シェーファー氏は、「ゴルフに乗れば誰でも身なりが整う」といった発言をしている。その通りかもしれない。
恐らく、読者の多くがゴルフにまつわる思い出をお持ちではないかと思う。学校の送り迎えや、毎日の通勤、友人とのドライブ、レストア、チューニング、サーキットでの走行会。ありふれた記憶から、一生モノの出来事まで。
どんな内容でも、ゴルフ誕生50周年を祝うのに華を添えるはず。もしお持ちでなければ、作ってみてはいかがだろう。
70か国で合計3700万台以上が売れたゴルフ。クラスレスという、ありきたりな表現は、このモデルのために存在するのかもしれない。社会変化や技術進歩を、カタチにしてきたといっても過言ではない。まあ、「最高のクルマ」といった方が手っ取り早いかも。