「デジタルデトックス」な楽しさ フォルクスワーゲン・ゴルフ Mk1へ試乗 50周年を祝う

公開 : 2024.12.30 19:05  更新 : 2024.12.31 16:59

ゴルフに乗れば誰でも身なりが整う

ソールズベリーの濡れた石畳を、ボディを揺らしながら進む。ステアリングホイールを回し、大聖堂の路地を曲がる。流れの速い郊外の一般道でも気持ち良いが、旧市街をうろついていても心地良い。

衝突安全性が低いかわりに、運転席からの視界は広い。ルーフを支えるピラーは細い。ボディの硬さを想像すると、集中力は常に高く保つ必要がある。一方で、周囲の状況は極めて判断しやすい。バックセンサーがなくても、殆ど困らない。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GL 1.5(Mk1/1983年式/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GL 1.5(Mk1/1983年式/英国仕様)

Mk1でも、あらゆる人の、すべてのコトへ応える、能力の高さを備える。フォルクスワーゲンCEOのトーマス・シェーファー氏は、「ゴルフに乗れば誰でも身なりが整う」といった発言をしている。その通りかもしれない。

恐らく、読者の多くがゴルフにまつわる思い出をお持ちではないかと思う。学校の送り迎えや、毎日の通勤、友人とのドライブ、レストア、チューニング、サーキットでの走行会。ありふれた記憶から、一生モノの出来事まで。

どんな内容でも、ゴルフ誕生50周年を祝うのに華を添えるはず。もしお持ちでなければ、作ってみてはいかがだろう。

70か国で合計3700万台以上が売れたゴルフ。クラスレスという、ありきたりな表現は、このモデルのために存在するのかもしれない。社会変化や技術進歩を、カタチにしてきたといっても過言ではない。まあ、「最高のクルマ」といった方が手っ取り早いかも。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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