「眠れる獅子」が目覚めたSUV プジョー3008(Mk2) UK中古車ガイド 2017欧州COTY受賞

公開 : 2025.01.03 19:05

モノフォルムのMPVから一新した2代目3008 世界で最も売れたSUVの1車種に 欧州COTYを2017年に受賞 1.2Lエンジンの湿式タイミングベルトにはご注意 英編集部が魅力を振り返る

世界で最も売れたSUVの1つ 欧州COTY受賞

使い勝手に優れるスタイリッシュなクロスオーバーとして、人気を集めた2代目プジョー3008。7年間のモデルライフを終え、2024年に3代目へモデルチェンジを果たした。

ボディと同じく、インテリアもオシャレ。車内空間も広い。見た目と機能を見事に両立したことで、少なくない数が売れている。英国の中古車サイトを検索してみれば、7000ポンド(約137万円)という身近な価格から、多数が売りに出されている。

プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)
プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)

現役時代の英国市場では、割り当て台数を超える注文が集まり、ディーラーは顧客の希望へ応えるのに苦労したとか。実際、2代目3008は7年間に130万台がラインオフし、世界で最も売れたSUVの1車種になった。欧州カー・オブ・ザ・イヤーも受賞している。

AUTOCARの試乗では、マット・プライヤーが久々の最高なプジョーだと絶賛。特に、インテリアを中心に高く評価している。小さめのステアリングホイールが膝上に伸びる、i-コックピット・レイアウトをどう感じるかは、人それぞれだとしても。

119psを発揮する1.6Lディーゼルターボでは、気になる点も指摘された。エンジンはやや旧式的な印象で、滑らかに回るものの、ノイズと振動が目立つ。低域トルクは太い反面、高域でのパワーは物足りなく感じるかもしれない。

それでも燃費は良好。フェイスリフト後は1.5Lディーゼルターボへ置き換わっているが、こちらも効率的に走った。

見た目の通りの魅力的なSUV 外せない選択肢

ガソリンエンジンは、1.6L 4気筒ターボも用意されたが、1.2L 3気筒ターボも好印象。充分なパワーを発揮し、燃費は14.0km/L以上と、ディーゼルターボへ遠からず。ただし、追って触れるが、1.2Lユニットには触れるべき弱点が存在するのでご注意を。

フェイスリフト後には、ハイブリッドも導入されている。英国仕様のプラグイン・ハイブリッド、3008 ハイブリッド4 300の場合、電気だけで45km程度走れる。

プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)
プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)

しなやかな乗り心地は褒められるが、ステアリングホイールに伝わるフィードバックは薄め。ハンサムな容姿や内装に、運転体験の洗練性や繊細さは若干届いていない。

トリムグレードは複数あるが、英国編集部がオススメするのは充実装備のアリュール。18インチ・アルミホイールに運転支援システム、バックカメラ、スマートフォンとのミラーリングに対応したインフォテインメント・システムなどを備える。

これで、3気筒ガソリンターボのピュアテックを組めば、納得できる3008になる。もし更なる特別感を欲するなら、1.6Lや2.0LのGTラインやGTライン・プレミアム、GTなどを検討しても良い。グレードを上げても、中古車価格に大きな影響はないようだ。

いずれにしても、見た目の通り3008は魅力的なSUVだといえる。実用性も低くない。このクラスの中古車をお考えなら、外せない選択肢になるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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