「眠れる獅子」が目覚めたSUV プジョー3008(Mk2) UK中古車ガイド 2017欧州COTY受賞

公開 : 2025.01.03 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は?

眠れる獅子が目覚めたといえる、3008。最近発表されたどのプジョーより、多くの強みを備える。スタイリングとインテリア、大胆に選ばれた内装素材、機能性などは称賛に値する。

乗り心地も素晴らしい。期待通りではない部分もあるが、初代3008の後継モデルとして役不足な印象はない。流行に敏感で、オシャレを好むような層に強く響くのではないだろうか。(2017年1月18日)

プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)
プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)

専門家の意見を聞いてみる

ポール・スティーン氏:プジョー専門店

「1.2Lガソリンターボのピュアテック・エンジンは、湿式タイミングベルト(ウェットベルト)に関わる問題を抱えています。エンジンオイルの劣化や消費が早く、吸気マニホールドにカーボンの堆積物が溜まる可能性もあるんですよ」

プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)
プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)

「状態にもよりますが、ウェットベルト交換などの一式に、800ポンド(約16万円)程度必要になることも。ベルトが切れると、エンジンは載せ替えです」

「エンジンオイルの警告灯が点く場合は、油圧が低下している証拠。これは、ウェットベルト不調の初期症状といえます。オイルの管理と油圧には、注意が必要です」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

1.2Lピュアテック・エンジンに組まれる、湿式タイミングベルトは不調を招きがち。ベルト自体の劣化が早く、その破片がエンジンオイルの潤滑経路を塞ぐ場合がある。これにより油圧が低下する。

走行距離が6万kmを超えている場合は、タイミングベルトが交換されているか確かめたい。同時に、エンジンオイルの状態と油圧も調べたい。オイルの量が少ないと、エンジン自体の寿命も縮める。

プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)
プジョー3008(Mk2/2016〜2024年/英国仕様)

ディーゼルターボでは、パティキュレートフィルターの詰まりが珍しくない。定期的に、クリーニングや交換をする必要がある。アドブルー・ポンプとインジェクターの故障にも要注意。高速道路を定期的に走らないなら、ガソリンターボの方が望ましい。

電気系統

集中ドアロックは、機械的な不具合に陥りやすい。タッチモニターは、ソフトウエアの不調に注意したい。すべての機能やシステムが正常に動くか、入念に確かめたい。

ハンドブレーキは電動で、発進時は自動的に解除される。しかし不調になると正しく解除されず、手での操作が必要になる。

トランスミッション

ATで変速時に振動が出たり、ワンテンポ遅れる場合は、カップリングの不調やフルード漏れなど、何らかの不具合が疑われる。滑らかに正しいタイミングでギアが変わることを、予め確認したい。

ボディ

パノラミックサンルーフから、車内へ雨水が漏れる場合がある。内装の湿りやシミがないか観察したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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