フェラーリ488GTB、デビュー

公開 : 2015.02.03 23:55  更新 : 2017.06.01 02:11

フェラーリは2月3日、458スペチアーレの後継モデルである488GTBのワールド・プレミアを3月に行われるジュネーブ・モーターショーで行うと発表し、一足早くその写真とスペックを公開した。

スタイリングは、エアロダイナミクスを徹底的に煮詰めたもので、フェラーリ史上最も少ない1.67という値をマークする。また、そのダウンフォースは、458スペチアーレに対し50%ほど上がっているという。フェラーリは、空気抵抗とダウンフォースという相反する2つの要素について、如何にそのバランスをとるかということに重きをおいたようだ。フロント・エンドは、ヘッドランプまわりの印象は458スペチアーレから引き継いでいるが、エア・インテークなどはより大型のものが与えられている。まだ、ダブル・フロント・スポイラーを初め、ベースブリード・サイド・インテーク、F1でお馴染みのリアのブロウン・スポイラーなど、革新的なエアロダイナミクス・テクノロジーも盛り込まれている。なかでも、最も458スペチアーレとの違いを見せるのは、そのサイド・インテークだろう。更に、アンダーボディもボーテックス・ジェネレーターを設けているのが特徴だ。また、リアのブロウン・スポイラーは、空気抵抗を増やすことなくダウンフォースを獲得するのに効果的なものである。リア・スタイルは、ディフューザーの高さを確保するために、エグゾースト・パイプのレイアウトの見直しが行われ、丸型のLEDテールライトもデザインが一新されている。

注目されるパワー・ユニットは、3902ccのV8ターボ・ユニットである。カルフォルニアT同様に、8気筒ミドシップ・シリーズも遂にノーマル・アスピレーションを捨て、ターボ・ユニットとなった。既にAUTOCAR DIGITALでもターボ・モデルの存在を明らかにしていたが、その噂通り、ダウン・サイジングしたターボ・ユニットの搭載となったわけだ。パワーは670ps/8000rpm、トルクは77.5kg-m/3000rpmというもので、これは458シリーズの最終モデルである458スペチアーレに対して、65ps、22.4kg-mほど大きい値だ。ピーク・パワーの発生回転数は、ノーマル・アスピレーションの458スペチアーレよりも1000rpmほど低くなってはいるが、それでもターボ・ユニットとしてはかなり回るエンジンだ。なお、トランスミッションには7速のデュアル・クラッチが与えられる。

パフォーマンスは、0-100km/h加速が3.0秒、0-200km/hが8.3秒。そしてトップ・スピードは330km/h以上となる。0-100km/h加速こそ458スペチアーレと変りないが、0-200km/h加速は0.8秒短縮され、トップ・スピードも5km/h上がっている。ちなみに、この0-200km/h加速のタイムは、F12ベルリネッタを0.2秒上回るもの。また、ピスタ・ディ・フィオラノのラップ・タイムは、458スペチアーレの1分23秒5から1分23秒フラットに向上している。

経済性、高効率性も向上している。CO2排出量は、458イタリアから458スペチアーレにスイッチする際に、307g/kmから275g/kmと向上したが、この488GTBでは更に260g/kmにまでアップしている。また、燃費も8.5km/ℓから8.8km/ℓに向上している。

シャシーは、SSC2と呼ばれるサイド・スリップ・アングル・コントール・システムとアクティブ・ダンパー、F1-トラック・トラクション・コントロール、E-デフなどが装備される。特に、そのセッティングには、XXプログラムで得たノウハウが注ぎこまれているという。

ボディ・サイズは、全高4568mm、全幅が1952mm、全高が1213mm。458スペチアーレとの比較では全長が3mmほど短くなり、全幅が1mmほど狭くなり、全高が10mmほど高くなっているが、ほぼ同寸と見て良いだろう。ホイールベースはアナウンスされていないが、これも458スペチアーレの2650mmを引き継ぐものと思われる。ボディ・ウエイトは、1290kgから1370kgと増えているが、これはパワーアップしたことで相殺以上となるだろう。

インテリア・デザインについては、基本的に458スペチアーレのアウトラインを引き継ぐが、センター・コンソールのデザインや、インフォテーメント・スクリーンのグラッフィックなどが一新されている。

フェラーリはこの新しい488GTBについて、”プロダクション・モデル史上最もレスポンスに優れたモデルであり、サーキット専用モデルに近いもの” とコメントしている。

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