駆け抜ける喜びは健在! BMW 330e プラグインHVへ英国試乗 改良でクラスベストへ

公開 : 2024.12.31 19:05

素晴らしい操縦性 駆け抜ける喜びは健在

試乗車は、18インチホイールのMスポーツ。不満ない快適性と、引き締まった姿勢制御を両立していた。低い運転姿勢と、後輪駆動のマナーが相乗し、操縦性は素晴らしい。

ステアリングは正確で鋭く、高解像度。カーブでは、ハイブリッド・システムによる車重増を殆ど感じさせない。330eは、レス・イズ・モアが成り立っていた、古き良き3シリーズへ通じる妙味すらある。

BMW 330e Mスポーツ(英国仕様)
BMW 330e Mスポーツ(英国仕様)

ボディロールは抑制され、安定性も高い。横方向のグリップ力にも優れるが、スタビリティ・コントロールを切れば、リアタイヤがボディを押し出す感覚で満たしてくれる。高速道路での落ち着きにも目を見張る。駆け抜ける喜びは健在だ。

今回の試乗で得られた燃費は、駆動用バッテリーの充電が切れた状態で、平均14.2km/L。より軽量な320iでも、同程度の効率は得られるだろう。だが定期的に充電すれば、日々の通勤でガソリンを燃やす必要性は低いはず。

2024年の改良で、BMW 330eはこのクラスのプラグイン・ハイブリッドの頂点に返り咲いたといえる。電動パワートレインの複雑さは見事に包み隠され、後輪駆動のスポーツサルーンとして積極的に運転を楽しめる。

駆動用バッテリーが充電されていれば、無音で市街地を巡れる。最長80kmも。この体験は、新たな魅力といっても良いだろう。BMWファンに限らず、運転を多少でも楽しみたいとお考えなら、同クラスのイチオシだといっていい。

◯:運転の魅力を失わず、競争力の高いハイブリッド・システム スポーツサルーンとしての優れた操縦性
△:硬い路面では乗り心地が若干悪い 初期の5シリーズより大きなボディサイズ 選べなくなったディーゼルターボ

BMW 330e Mスポーツ(英国仕様)のスペック

英国価格:5万5255ポンド(約1077万円/試乗車)
全長:4713mm
全幅:1827mm
全高:1440mm
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:5.9秒
燃費:90.9-125.0km/L
CO2排出量:19-25g/km
車両重量:1770kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc ターボチャージャー+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:19.5kWh
最高出力:293ps(システム総合)
最大トルク:42.7kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

おすすめ

人気記事