伝説的な「ルノー5ターボ」が500馬力のホットハッチとして復活 2026年生産開始
公開 : 2024.12.17 06:25
ルノーは2026年より新型EV「5ターボ3E」の生産を開始すると発表した。2基のインホイールモーターにより最高出力500ps、0-100km加速3.5秒を実現する。
インホイールモーター技術採用
ルノーが2022年に公開したコンセプトカー「5ターボ3E(5 Turbo 3E)」が、2026年より生産開始されることになった。かつての5ターボを現代的に解釈したEVで、「究極のホットハッチ」と称されている。
新型5ターボ3Eは、特注のプラットフォームをベースに、次世代のインホイールモーター技術を採用する。これにより、1984年に生産終了となったオリジナルモデルの3倍以上のパワーを実現し、ルノー史上最もパワフルな量産車となる。
製品責任者のブルーノ・ヴァネル氏は、欧州カー・オブ・ザ・イヤーのプレビューで、革新的な駆動系により「他に類を見ない俊敏性」を備え、「卓越したドライビング感覚、予想を遥かに超えるもの」を実現すると約束した。
2022年公開のコンセプトでは最高出力380psを超えると言われていたが、量産車では2基のインホイールモーターをリアに搭載することで、500ps以上を実現するという。このモーター技術により、左右の後輪を正確に制御できるようになり、「思い通りに動かせる」とヴァネル氏は述べた。
AUTOCARは、英国のプロティアン・エレクトリック社が供給するモーターにより、電子制御ディファレンシャルの必要がなくなると予想している。
5ターボ3Eの0-100km/h加速タイムは3.5秒未満で、ヴァネル氏は「息をのむほど」の性能だとする。
ボディには特注のカーボン複合素材が採用される。寸法はまだ公表されていないが、そのプロポーションは、おおまかなベースとなった標準の5 Eテックとは大幅に異なっている。フロントガラスの角度だけが両車の共通点だ。
特にダッシュボードからアクスルまでの距離が長いことから、量産車もコンセプト同様、特注のプラットフォームを採用することがわかる。2人乗りのコンセプトでは、リアにロールケージを備えたチューブラーシャシーが採用された。
巨大なリアスポイラーやディフューザー、張り出したフェンダー、モーターを冷却するためのサイドエアインテークなど、空力性能と冷却を考慮した大胆なスタイリングとなっている。
コンセプト主な特徴の1つに、ドーナツターンも可能な3種類のドリフトモードがあった。また、コンセプトでは手動のサイドブレーキ(ハンドブレーキ)が使用されていたが、プロジェクトの理念から、量産車にも引き継ぎたいとルノーは考えているはずだ。
ルノーの先進デザイン部門の責任者であるサディープ・バンブラ氏は、グループCEOのルカ・ディ・メオ氏から「わたしを小さな野獣にするつもりで作れ」という指示を受けたと語った。バンブラ氏によると、コンセプトカーが好評だったことから、市販化する意図は「当初からあった」という。
生産予定台数はまだ明らかにされていないが、専用設計のレベルと極端なポジショニングを考慮すると、台数は限定され、価格も10万ポンド(約1940万円)を超える可能性が高い。
また、同車の開発には高性能車ブランドのアルピーヌが関与していると思われる。生産もアルピーヌのディエップ工場で行われる可能性がある。