【殿堂入りレベルの完成度】オートカラーアウォード2024でマツダCX-80がグランプリを受賞

公開 : 2024.12.17 11:45

審査員も驚いた完成度の高さ

このカラーに審査員たちは、ひと手間かけた精緻さが感じられて非常に素晴らしいと高評価。さらに、「すごい完成度で、それこそ殿堂入りしてもいいんじゃないかと思うほど」と日本流行色協会クリエイティブディレクターの大沢かおるさんが述べるほどのレベル。

「デザイナーとペインターというクリエイター同士を横軸で通しながら皆一緒にひとつのCMFを開発していく。そのために抽象的なオブジェを作ることをしてまで、CMF素材のイメージと色をどう表現したいかを伝えたというコミュニケーションメディアの開発も評価の大きなポイントになりました。今後のCMFのデザインのやり方にも大きなヒントになるでしょう。こうして追求し実現されたカッパーはこれまでになく洗練されていました」と講評した。

内田俊一

CMFとはカラー・マテリアル・フィニッシュの略で、クルマの目に見えるもの全てに関わるデザイン領域といえ、現在大きく注目を集めている。このCMFによって、クルマの魅力がさらに引き立つかどうか、コンセプトが明確に伝わるかどうかが変わってくるからだ。今回エントリーしたクルマ達はいずれも高いレベルで実現できていたが、その中でもCX-80は“共創”という視点が新たに加えられたこともポイントとして挙げられる。

また、特別賞のスズキスイフトに関しては、「次世代につないでいくようなエナジーを表現された、新しいスポーツとして果敢に挑戦したクールイエローメタリックには、びっくりしました。これまでの業界の理解の範囲を超えています。バイオテクノロジーで培養された、まるで顕微鏡の中で見る光の色のようで、それをグレーと組み合わせることで、光のイエローがちょっと緑がかって不思議な色として生きてくる。光の色は影がないと生きてこないんです。ですからこの組み合わせで驚くような領域ができてきたのでしょう」とコメントした。

なお、いずれのメーカーもデザイナーとペインター(社内外はあるにせよ)との協力関係はあるのだが、マツダのようにもう1歩踏み込んで、生産化直前まで関わる例は少ないようだ。マツダにおけるペインターは、まさに魂動デザインを感じさせる大きな存在だと気づかせてくれた機会であった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。

関連テーマ

おすすめ記事