気軽なメルセデス・ベンツ540Kを夢見て クーリエ・キャデラック(1) 社長のワンオフ
公開 : 2025.01.04 17:45
チームは自動車設計未経験 ルーフは維持
開発チームは、自動車設計には無縁だった自社の技術者と、子供用ライドカーの設計経験を持つ人物、メイドメント自身という3名で構成。彼らは中古車市場を探し、インテリアの状態が良い1978年式を別に見つけ出した。
少し無謀な態勢だったことを、彼は後年に認めている。とはいえ、ベース車両のドライバビリティを可能な限り維持しつつ、古いメルセデス・ベンツを再現することへ、果敢に挑んでいる。
オリジナルの540Kはコンバーチブルだが、ボディ剛性を保つうえで、ルーフを切り取ることは危険だと判断。すぐに、セビルのスチール製ルーフを維持することが決まった。しかし、ソフトトップを背負ったように見えるよう、偽装が施された。
これにより、コンバーチブルへの改造という、技術的なリスクからは開放された。長いルーフは中央でカットされたが、ボディの骨格が残されたことで、セビル本来の登録番号も維持できた。メイドメントは、ロードスターだと晩年まで主張し続けたが。
アルミニウム製のボディパネルは、職人による手仕事。その下側には、セビルのボディシェルが残されていた。リアのサスペンションは、基本的にそのまま。フロントアクスルは、幅が狭く加工されたエンジンルームの前方へ移設されている。
丸いヘッドライトを載せるバーも、剛性を担う構造の一部。エンジンルーム前部を支える、スチール製フレームとなっている。
この続きは、クーリエ・キャデラック(2)にて。